ECサイトの作り方で最初に悩むのが「どのサービスを使うか」です。日本でネットショップを始めるときよく候補に挙がり、比較されるサービスが、Shopify(ショッピファイ)、BASE(ベイス)、カラーミーショップ、STORES(ストアーズ)です。これらは、サーバー構築やシステム開発を一から行わなくてもネットショップを作成できる、SaaS型ECサイトの代表的なサービスです。
どのサービスでもネットショップを作成できますが、料金の仕組みや決済手数料、デザインの自由度、販売方法の広げやすさ、実店舗との連携、サイトスピードに違いがあり、事業の種類や規模によって向いているサービスは異なります。また、売り上げが伸びたあとも使いやすいか、将来的にSNS販売や実店舗販売、海外販売などに広げられるかも大切です。
この記事では、日本で定番のECプラットフォームの中から、Shopify、BASE、カラーミーショップ、STORESの特徴を解説し、メリットやデメリットを比較します。

ECプラットフォームを比較するポイント
ECプラットフォームを比較検討する際は、以下の点に注意することで、自社に最適なサービスを選びやすくなります。
- 料金・手数料:月額費用、初期費用、決済手数料、販売手数料、振込手数料、追加機能の利用料などを確認しましょう。アプリや外部サービス、制作・運用にかかる費用まで含めた総所有コスト(TCO)で比較しましょう。
- テンプレートの数とカスタマイズの自由度:初心者が自分で作る場合、テンプレートの種類と、色・レイアウトをどこまで調整できるか確認しておきましょう。
- 操作性:商品登録、在庫管理、注文確認、配送設定などをスムーズに行えるか、管理画面がわかりやすいか確認しましょう。
- 集客機能と販売チャネル:SNS連携、広告連携、メール配信、実店舗販売などに対応していると、ネットショップ開設後の販売方法を広げやすくなります。
- 多言語・多通貨対応:海外販売を考えている場合は、何語に対応できるか、複数の通貨で表示・決済できるかを確認しましょう。
- 表示速度と安定性:表示速度は、商品ページの見やすさや購入のしやすさに関わります。画像、テンプレート、アプリ、外部ツールの組み込み方も影響します。
- サポート体制:困ったときに日本語で問い合わせられるか、メール、チャット、電話などどの方法で相談できるかを確認しておくことで、トラブル発生時でも安定した運営ができます。
- 拡張性:売り上げや商品数が増えたあとも、機能を増やしたり外部ツールと連携したりできると、事業の成長に合わせて運営を継続できます。

Shopifyの特徴
Shopifyは、世界175か国以上、数百万の事業者に利用されているECプラットフォームです。利用できる機能やテーマが多く、カスタマイズの自由度の高い点が特徴です。個人や小規模事業者から成長中のブランド、エンタープライズ企業まで、本格的かつ長期的にブランドECを育てたい事業者に幅広く使われています。
- 料金・手数料:Basicは年払いで月額3,650円です。オンラインのカード手数料はBasicで3.55%からで、外部決済サービスを使う場合は別途手数料がかかります。Shopifyペイメントを利用している場合、売り上げは指定した周期で自動的に登録した銀行口座へ入金されます。手数料は無料です。
- テンプレートの数とカスタマイズの自由度:Shopifyテーマストアには、2026年5月時点で1,100件以上の有料テーマ、24種類の無料テーマが用意されています。ブランドや商品数に合わせて色やレイアウトのカスタマイズが可能です。
- 操作性:商品、在庫、決済、配送、注文管理などを管理画面でまとめて扱えます。ネットショップ運営に必要な基本機能を一か所で管理できるのが特徴です。
- 集客機能と販売チャネル:オンラインストアだけでなく、Instagram、TikTok、Googleなどの販売チャネルと連携して販売できます。Shopify POSを使えば、実店舗販売との在庫連携も可能です。
- 多言語・多通貨対応:すべてのプランで最大20言語で販売できます。Shopify Marketsを利用すると、国や地域ごとに言語、通貨、ドメイン、価格設定などの管理も可能です。Shopifyペイメントを利用すると、複数通貨で販売ができるため、越境ECにも取り組みやすいサービスといえます。
- 表示速度と安定性:Shopifyのテーマはコマース向けに設計されており、優れた表示スピードと安定性を備えています。
- サポート体制:24時間365日の日本語チャットサポートが提供されています。管理画面の表示言語は日本語を含む20言語に変更可能です。
- 拡張性:Shopify App Storeには16,000以上のアプリがあり、必要な機能を追加できます。商品数の登録上限がないため、ストアの拡大にも対応可能です。B2B ECやフロントエンドとECの管理機能を分けて構築するヘッドレスコマースにも対応しやすく、デザインや購入体験をより自由に設計したい場合にも適しています。
Shopifyのメリット
Shopifyのメリットは、ネットショップを作ったあとも、事業の成長に合わせて機能や販売方法を広げられることです。テンプレートやアプリが豊富に用意されているため、ブランドの世界観に合うデザインに整えたり、必要な機能を追加したりできます。
また、オンラインストアだけでなく、SNS販売、実店舗販売などマルチチャネル・オムニチャネルにも対応しており、多言語・多通貨対応のため、越境ECといった海外販売ができる点も強みです。
最初は小さく始めて、売り上げや商品数が増えたタイミングで機能を広げられるため、長期的にブランドECを育てたい事業者に向いています。
Shopifyのデメリット
Shopifyには無料体験がありますが、継続して利用するには有料プランの契約が必要です。また、Shopifyは拡張性が高く、アプリを追加すれば機能を増やせますが、必要以上に追加すると費用が増える可能性があります。機能数が多いため自由度の高いサイト設計が可能ですが、その分運用には一定の学習が必要になります。使いたい機能と予算を確認し、必要なものを選んで運営するとよいでしょう。

BASEの特徴
BASEは、初期費用や月額費用を抑えながらネットショップを始めたい人に向いているECプラットフォームです。2012年のサービス開始以降、個人や法人、自治体など幅広く利用されており、2025年11月にはショップ開設数が250万を突破しました。副業や小規模販売でも始めやすく、専門知識がなくてもショップを開設しやすい点が特徴です。
- 料金・手数料:スタンダードプランは初期費用・月額費用0円で、商品が売れたときに決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%がかかります。売り上げの出金時には、振込手数料250円のほかに、2万円未満の場合は事務手数料500円が差し引かれます。Pay IDアプリからの注文には、1注文あたり決済手数料3.6%+40円+サービス利用料5.9%がかかります。
- テンプレートの数とカスタマイズの自由度:BASEデザインマーケットには、80種類以上の有料テーマ、22種類の無料テーマが用意されています。
- 操作性:管理画面から商品登録、注文管理、決済、配送などを行えます。初めてでも使いやすいシンプルな画面です。
- 集客機能と販売チャネル:BASE Appsを使って機能を追加でき、Instagram販売などにも対応できます。Square連携Appを使えば、BASEとSquareの商品在庫を連携でき、実店舗やポップアップストアとの併用にも対応できます。Pay IDアプリとの連携により、BASEの商品を見つけてもらうきっかけも作れます。
- 多言語・多通貨対応:BASEでは「英語・外貨対応」のアプリを使うと、ショップページや購入完了メールなどを英語表記に切り替えられ、34か国の外貨表記に対応できます。
- 表示速度と安定性:サービス開始以降、定期的な改善を実施しており、安定した運用が可能です。一方、機能数が多いため、画像や機能を使いすぎてしまうと表示速度が低下する可能性があります。
- サポート体制:問い合わせフォームからのメール対応が基本であり、チャットや電話によるサポートはありません。
- 拡張性:BASE Appsからショップ運営に必要な機能を追加できます。小規模販売から始めやすい一方、複雑な運用や大規模なブランドECでは、必要な機能が足りるか確認しておくと安心です。
BASEのメリット
BASEのメリットは、初期費用や月額費用をかけずにネットショップを始めやすいことです。スタンダードプランなら商品が売れるまで固定費がかからないため、まずは小さく販売を試したい人に向いています。
商品登録や注文管理もシンプルで、専門知識がなくてもショップを開設しやすい点も魅力です。ハンドメイド商品やオリジナルグッズなどを小規模に販売したい場合に使いやすいサービスです。
BASEのデメリット
BASEは無料で始められますが、スタンダードプランでは商品が売れるたびに決済手数料とサービス利用料がかかり、売り上げの出金時にも費用が発生します。売り上げが増えてきた場合は、グロースプランへの切り替えや、他のECプラットフォームとの総コスト比較が必要です。

カラーミーショップの特徴
カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が運営する老舗ECプラットフォームで、2025年1月時点で全国50,000店以上の事業者に利用されています。日本の商習慣に特化した機能が多数搭載されているのが特徴で、国内向けにネットショップを運営したい事業者に向いているサービスです。無料プランのほかに有料プランも用意されており、使える機能や容量を広げられるため、商品数が多いショップや本格的に運営したいショップにも対応しています。
- 料金・手数料:フリープランは初期費用・月額費用0円で利用できます。レギュラープランは初期費用3,300円、月額4,950円です。販売手数料は0円で、有料プランのカード決済手数料は3.4%からです。
- テンプレートの数とカスタマイズの自由度:2023年1月時点で無料テンプレート48点、有料テンプレート37点が用意されています。HTMLやCSSの編集にも対応しています。
- 操作性:商品登録、受注管理、配送設定、決済設定などを管理画面から行えます。機能が多いため、初心者は最初に設定項目を確認しながら進めるとよいでしょう。
- 集客機能と販売チャネル:クーポン、メールマガジン、レビュー、Instagramショッピング連携、Amazon連携などに対応しています。WordPress連携もでき、同じドメイン内でオウンドメディアを運営できます。
- 多言語・多通貨対応:アプリを追加することで、ショッピングカートや決済画面を多言語対応にできます。海外販売を本格的に行う場合は、対応言語や決済方法をあらかじめ確認しておく必要があります。
- 表示速度と安定性:フリープランは容量に制限がありますが、上位プランではディスク容量が大きくなるため、商品写真やページ数が多いショップでも安定した運営が可能です。
- サポート体制:AIチャット、メール、電話でのサポートが用意されています。プレミアムプランでは、ECアドバイザーによる個別サポートも利用できます。
- 拡張性:カラーミーショップ アプリストアから、販促、運営効率化、外部サービス連携などの機能を追加できます。
カラーミーショップのメリット
カラーミーショップのメリットは、費用と機能のバランスを見ながら国内向けネットショップを運営できることです。有料プランでは1商品につき画像を50枚まで登録できるため、商品写真を多く使いたいショップに向いています。同じドメイン内でWordPressを導入できるので、オウンドメディアにつなげやすい点も強みです。
国内向けに細かく設定しながら運営したい事業者にとって、使いやすいサービスです。
カラーミーショップのデメリット
カラーミーショップは、プランによって使える容量や機能に差があります。フリープランは初期費用・月額費用0円で始められる一方、ディスク容量は200MB、登録画像数は1商品あたり4枚、フリーページは10ページまでに制限されています。商品登録数自体は無制限ですが、商品写真やページを多く使いたいショップでは、早い段階で有料プランを検討する必要があります。
また、有料プランでは初期費用が発生し、決済方法によっては決済代行会社との契約や手続きが必要になる場合があります。導入前に、使いたい決済方法や運営に必要な機能を確認しておくとよいでしょう。

STORESの特徴
STORESは、ネットショップと実店舗運営をあわせて考えたい人に向いているECプラットフォームです。ネットショップ作成に加えて、キャッシュレス決済、POSレジ、予約システムなどを組み合わせて使えます。無料プランから始められ、POSレジや決済端末も導入しやすいため、オンライン販売と実店舗販売を低コストでまとめたい小規模店舗や個人ブランドに向いています。
- 料金・手数料:フリープランは初期費用・月額費用0円で利用できます。スタンダードプランは年払いで月額2,980円、月払いで月額3,480円です。決済手数料はフリープランで5.5%、スタンダードプランで3.6%です。
- テンプレートの数とカスタマイズの自由度:無料で使える48種類のテンプレートが用意されています。
- 操作性:商品登録、注文管理、決済、配送などを管理画面から行えます。シンプルな操作で始めやすく、ネットショップを初めて作る人や小規模店舗でも扱いやすいサービスです。
- 集客機能と販売チャネル:ネットショップに加えて、STORES決済、STORESレジ、STORES予約などと組み合わせて使えます。
- 多言語・多通貨対応:英語対応機能をONにすると、価格表記や購入画面、自動送信メールなどの定型文を英語表記に切り替えられます。通貨は日本円のままで、外貨表記には対応していません。
- 表示速度と安定性:画像サイズの最適化やスクロールに合わせた画像読み込みなどの改善が実施されており、安定した表示速度が期待できます。
- サポート体制:問い合わせフォームやチャットで相談できます。導入相談では、フォームや電話での問い合わせにも対応しています。
- 拡張性:ネットショップだけでなく、決済、レジ、予約、モバイルオーダー、データ分析などを組み合わせられます。実店舗とECをまとめて管理したい場合に便利ですが、大規模ECや高度な越境ECでは必要な機能を確認しておくとよいでしょう。
STORESのメリット
STORESのメリットは、低コストでネットショップを始められる点と、実店舗運営に関わるサービスをまとめて使いやすいことです。キャッシュレス決済、POSレジ、予約受付などを組み合わせられるため、オンライン販売と実店舗販売を一緒に管理したい小規模店舗や個人ブランドに向いています。
STORESレジと連携すれば、実店舗とネットショップの在庫を自動で同期できます。店頭で商品が売れたときにネットショップ側の在庫も反映されるため、在庫管理の手間を減らしたい店舗にも便利です。
STORESのデメリット
STORESは低コストで始められますが、フリープランの決済手数料は5.5%のため、売り上げが増えてきた場合はスタンダードプランへの切り替えを検討する必要があります。また、デザインや機能の自由度には一部制限があります。外貨表記にも対応していないため、越境ECでの販売を重視する場合はあまり適していません。
まとめ
EC事業を立ち上げる際、土台となるサービス選びは重要です。Shopify、BASE、カラーミーショップ、STORESは、それぞれ向いている事業者や運営スタイルが異なります。初期費用や月額費用を抑えて小さく始めたい場合はBASEやSTORES、国内向けにきめ細かくネットショップを運営したい場合はカラーミーショップが候補になるでしょう。一方で、ブランドの世界観をしっかり表現し、SNS販売、実店舗販売、越境EC、アプリ連携などにも広げていきたい場合は、Shopifyが向いています。
ECプラットフォームを選ぶときは、始めやすさだけでなく、売り上げが伸びたあとの運営や、将来的にどのような販売方法に広げたいかまで考えることが大切です。自社の商品や事業規模、目指したいブランドの形に合わせて、長く使いやすいサービスを選びましょう。
Shopify・BASE・カラーミーショップ・STORESについてのよくある質問
ネットショップを作ったあとにサービスを変更できますか?
ネットショップを作ったあとに、別のECプラットフォームへ移行することは可能です。ただし、商品情報、顧客情報、注文履歴、デザイン、URL、外部ツール連携などを移す作業が必要になり、移行方法によっては、一時的に販売や更新作業を調整する必要が出る場合もあります。将来的に商品数や販売チャネルを増やしたい場合は、最初から拡張性のあるサービスを選んでおくと運営しやすくなります。
越境ECを始めたい場合おすすめのサービスは?
海外販売を本格的に考えている場合は、Shopifyが有力な候補になります。Shopifyは最大20言語で販売でき、国や地域ごとの言語、通貨、ドメイン、価格設定などを管理できます。
事業の拡大を目指す場合おすすめのサービスは?
事業の拡大を目指す場合は、Shopifyが有力な候補になります。Shopifyはアプリを追加して機能を広げられるだけでなく、SNS販売、実店舗販売、越境EC、B2B EC、ヘッドレスコマースなどにも対応できるECプラットフォームです。商品数や販売チャネルが増えたあとも、事業の成長に合わせて運営体制を整えられる点が特徴です。
文:Taeko Adachi




