はじめに
「ECサイトを立ち上げたいが、どのプラットフォームが自社に合うか判断できない」
「比較記事を読むほど候補が増え、決め切れない」
「制作会社にも声をかけたいが、判断基準が定まらない」
新規構築・リプレイスの検討段階で、こうした行き詰まりはよく起きます。
経済産業省の最新調査によると、日本の物販系BtoC-EC市場規模は15.22兆円、EC化率は9.78%(2024年実績)に達しています。
市場の拡大に伴い、ECプラットフォームや開発パートナーの選択肢は年々増えており、情報量が過多になった結果、事業者にとって「自社にとっての本当の正解(最適なシステム)」は見えにくくなっています。
だからこそ、自社のフェーズや戦略に合わせた客観的な選定基準を持つことが不可欠です。
本記事では、主要なECプラットフォームを目的・月商規模・運用体制で整理し、制作会社の見極め方、選定時に押さえたい7つの判断軸、よくある失敗パターンまでをまとめました。
「どれが一番優れているか」ではなく「自社にとってどれが最適か」を判断するための実務ガイドです。
目次
-
ECサイトの「おすすめ」を見極める前提
-
ECサイト構築の5つのタイプとそれぞれのおすすめ用途
-
おすすめECプラットフォームの並列比較
-
月商規模別のおすすめプラットフォーム
-
目的・要件別のおすすめプラットフォーム
-
ECサイトのおすすめを選ぶための7つの判断軸
-
ECサイト制作会社のおすすめの選び方
-
ECサイト選定で陥りがちな失敗パターン
-
まとめ
【無料相談】貴社に最適なECプラットフォームをShopifyの専門家がご提案 「結局どれがおすすめなのか」とお悩みの方へ。Shopifyの専門家が、貴社の事業規模・要件・成長計画に合わせた最適な選択肢をご提案します。
ECサイトの「おすすめ」を見極める前提
ECサイトの最適解は、事業フェーズ・予算・要件で大きく変わります。月商100万円の個人事業主と月商1億円のエンタープライズ企業では、選ぶべきプラットフォームはまったく別物です。
まずは「自社にとっての正解」を見極める前提を整理します。
おすすめは「事業フェーズ」で変わる
立ち上げ初期はコストとスピード、成長期は機能と拡張性、エンタープライズフェーズは基幹連携や大規模運用への耐性。重視する論点はフェーズごとに様変わりします。
|
事業フェーズ |
重視すべきポイント |
|---|---|
|
立ち上げ初期 |
初期費用の低さ、開設スピード、運用の簡単さ |
|
成長期 |
機能拡張、マーケティング機能、アプリエコシステム |
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拡張期 |
カスタマイズ性、API連携、複数チャネル統合 |
|
エンタープライズ期 |
基幹システム連携、大規模対応、BtoB対応、SLA |
押さえたいのは「現在のフェーズ」だけでなく「3年後の到達点」を起点に選ぶ視点です。再リプレイスの最大の防御策になります。
おすすめは「目的」で変わる
同じ規模の事業者でも、目的が違えば最適解は変わります。D2Cブランドの世界観表現、BtoB卸売の見積もり・請求書払い、越境ECの多言語・多通貨対応。
「何を実現したいか」を定めると、候補はかなり絞れます。
おすすめは「運用体制」で変わる
社内に開発エンジニアがいるか、運用担当は何名か、外部パートナーへどこまで依存するか。こうした体制要因が、選定後の運用効率を決めます。
カスタマイズ性の高いプラットフォームは、裏返せば「自社または信頼できる開発パートナーで運用する前提」が必要になります。
「ランキング上位=自社の正解」ではない
ネット上の「ECサイトおすすめランキング」は、対象読者や評価軸が明示されていないものが多く、自社の状況と噛み合わないことがあります。本記事ではサービスを序列化せず、ユースケース別に並列で整理します。
ECサイト構築の5つのタイプとそれぞれのおすすめ用途
個別サービスの比較に入る前に、ECサイト構築の「5つの構築タイプ」を整理します。タイプ別の特徴と、どんな企業に向くかを並べました。
ASP・SaaS型
ASP(Application Service Provider)・SaaS型は、クラウドで提供されるECシステムを月額料金で使う形態です。サーバー手配・システム保守は不要で、初期費用を抑えて短期間で立ち上げられます。
代表的なサービス例:BASE、STORES、カラーミーショップ、MakeShop、Shopify、futureshop
おすすめされる企業:
- 個人事業主・スタートアップから、中規模・大規模ECまで幅広く対応
- 社内に開発リソースが限られている事業者
- 立ち上げスピードを優先したい事業者
- アプリやテーマで機能拡張を柔軟に行いたい事業者
オープンソース型
オープンソース型は、ソースコードが公開されているECシステムを自社で導入・カスタマイズして運用する形態です。
ライセンス費用は無料で、要件に合わせた踏み込んだカスタマイズができます。
代表的なサービス例:EC-CUBE、WooCommerce、Adobe Commerce(旧Magento)
おすすめされる企業:
- 社内に開発リソースがある、または信頼できる開発パートナーがいる事業者
- 独自カスタマイズ要件が多く、自由度を最優先したい事業者
- ベンダーロックインを避けたい中規模以上の事業者
パッケージ型
パッケージ型は、ECサイト構築用のソフトウェアを購入し、自社要件に合わせてカスタマイズして運用する形態です。
中〜大規模EC向けに設計されており、機能網羅性とカスタマイズ性を両立します。
代表的なサービス例:ecbeing、ebisumart、SI Web Shopping、Orange EC、Salesforce Commerce Cloud
おすすめされる企業:
- 中〜大規模EC事業者で、基幹システム連携が前提となる企業
- 豊富な標準機能とベンダーサポートを重視する企業
- 業種特化機能(アパレル、食品、医薬品等)が必要な企業
ECモール型
ECモール型は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった既存の大規模モールへ出店する形態です。自社サイトを持たず、モールの集客力・決済・物流支援に乗ります。
代表的なサービス例:楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング
おすすめされる企業:
- 新規顧客との接点を素早く確保したい事業者
- 自社ECとの併用でマルチチャネル戦略を取りたい事業者
- 初期投資を最小限に抑えてEC市場に参入したい事業者
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、ECサイトを一からオリジナルで開発する形態です。要件にぴったり合わせた設計ができる反面、初期費用は数千万円〜、開発期間は半年〜1年半以上と、最も大規模な投資になります。
おすすめされる企業: - 独自の業務フロー・複雑な基幹連携・特殊な決済要件を抱える大手企業 - 既存パッケージでは対応できない要件を持つエンタープライズ事業者 - 専任の開発チームを保有している企業
5タイプの早見表
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項目 |
ASP・SaaS型 |
オープンソース型 |
パッケージ型 |
ECモール型 |
フルスクラッチ型 |
|---|---|---|---|---|---|
|
初期費用 |
0〜10万円 |
50〜200万円 |
300〜1,500万円 |
0円〜 |
3,000万円〜 |
|
月額・運用費 |
0〜数十万円 |
サーバー・保守費 |
10万円〜 |
出店料・手数料 |
保守費別途 |
|
構築期間 |
即日〜2ヶ月 |
1〜4ヶ月 |
4〜8ヶ月 |
数日〜1ヶ月 |
6〜18ヶ月以上 |
|
カスタマイズ性 |
★★☆☆☆ |
★★★★★ |
★★★★☆ |
★☆☆☆☆ |
★★★★★ |
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対象規模 |
個人〜大手 |
中小〜中規模 |
中〜大規模 |
全規模(補完的) |
大規模・特殊要件 |
※上記は構築タイプの一般的な相場感です。実際の費用・期間はサービス・要件により変動します。
おすすめECプラットフォームの並列比較
ここからは、ASP・SaaS型/オープンソース型/パッケージ型/ECモール型の代表的なサービスを並列で紹介します。各社の情報は2026年5月時点の公式サイトを参照しています。
料金・機能等の最新情報は、各社公式サイトでご確認ください。
個人〜小規模事業者におすすめのプラットフォーム
副業ECや立ち上げ初期のスモールスタート層で選ばれているサービス群です。初期費用を抑え、即日〜数日で開設できる手軽さが共通点になります。
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サービス |
初期費用 |
月額費用 |
決済手数料 |
特徴 |
|---|---|---|---|---|
|
BASE |
0円 |
0円 または 16,580円 |
無料プラン:6.6% + 40円 有料プラン:2.9% |
個人〜小規模向け、無料で始められる |
|
STORES |
0円 |
0円 または 3,300円 |
無料プラン:5.0% 有料プラン:3.4% |
EC・予約・POSのオールインワン |
|
カラーミーショップ |
0円 |
0円 または 4,950円〜 |
無料プラン:6.6% + 30円有料プラン:3.14%〜 |
GMOペパボ運営、長年の実績 |
|
Shopify(Basicプラン) |
0円 |
$39/月(年払いで$29/月 |
国内カード:3.4% 海外カード:4.15% |
グローバル展開・拡張性に強み |
おすすめされる企業:
- 個人事業主、副業EC、立ち上げ初期のスタートアップ
- まずは小さく始めて、需要を検証しながら拡大したい事業者
- ITリソースを最小限に抑えたい事業者
中小規模〜中規模事業者におすすめのプラットフォーム
月商100万〜数千万円規模で、機能・カスタマイズ・コストのバランスを重視する事業者に選ばれているサービス群です。
|
サービス |
初期費用 |
月額費用 |
特徴 |
|---|---|---|---|
|
MakeShop |
11,000円〜 |
13,750円 |
中小〜中規模EC向け、機能豊富 |
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Shopify(Shopify/Advanced) |
0円 |
約15,750円($105)〜 約60,000円($399) ※年払いで約25%OFF |
多言語・多通貨、アプリエコシステム |
|
futureshop |
24,200円〜 |
26,400円〜 |
中規模以上向けSaaS、国内特化機能 |
|
カラーミーショップ(プレミアム) |
0円 |
29,700円 |
中小規模、コストを抑えた運用 |
おすすめされる企業:
- D2Cブランドとして本格展開を進めたい事業者
- 既存ASPからのリプレイスで機能拡張を図りたい事業者
- 海外販売や多言語対応を視野に入れている事業者
中〜大規模・エンタープライズにおすすめのプラットフォーム
月商数千万円〜数億円規模、または基幹システム連携・BtoB対応など複雑な要件を抱える事業者に選ばれているサービス群です。
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サービス |
初期費用目安 |
月額費用目安 |
特徴 |
|---|---|---|---|
|
Shopify Plus |
要見積もり |
368,000円〜/月(3年契約)または $2,300〜/月 |
エンタープライズ向け、マルチストア・B2B対応 |
|
ecbeing |
300万円〜 |
500万円〜(実勢は1,000万〜数千万円) |
国内シェア上位の大規模パッケージ |
|
ebisumart |
10万円〜 |
25万円〜 |
クラウド型パッケージ、自動アップデート |
|
Adobe Commerce |
数百万円〜 |
1,000万円〜数千万円 |
グローバル対応、エンタープライズ向け |
|
SI Web Shopping |
要見積もり |
初期:約500万円〜月額:約10万円〜 |
BtoB/BtoC両対応、大規模・基幹連携 |
|
Salesforce Commerce Cloud |
要見積もり |
初期:1,000万円〜月額:売上の数%(成果報酬) |
エンタープライズ、CRM連携 |
おすすめされる企業: - 月商規模が大きく、独自要件・基幹連携が必要な企業 - BtoBチャネル、卸売、グローバル展開を進めたい企業 - カスタマイズ性とスケーラビリティを両立したい企業
オープンソース型でおすすめのプラットフォーム
ソースコードレベルのカスタマイズや、ベンダーロックインを避けたい事業者に選ばれるサービス群です。
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サービス |
ライセンス費用 |
構築費用相場(外注時) |
特徴 |
|---|---|---|---|
|
EC-CUBE |
無料 |
50〜200万円 |
日本製OSS、国内事業者に普及 |
|
WooCommerce |
無料 |
30〜150万円 |
WordPress用ECプラグイン |
|
Adobe Commerce(OSS版) |
無料 |
数百万円〜 |
海外製、大規模・グローバル |
おすすめされる企業: - 社内に開発リソースがある、または信頼できる開発パートナーがいる事業者 - 独自カスタマイズ要件が多い事業者 - 長期的にベンダー依存を避けたい事業者
ECモール型でおすすめの選択肢
集客力や決済・物流支援を活用したい事業者にとって、自社EC+モールの併用は近年の主流パターンの一つです。
|
モール |
初期費用 |
月額・出店料 |
特徴 |
|---|---|---|---|
|
楽天市場 |
60,000円〜 |
19,500円〜100,000円 |
国内最大級、購入頻度の高いユーザー基盤 |
|
Amazon |
0円 |
4,900円(大口) |
グローバル、商品検索起点 |
|
Yahoo!ショッピング |
0円 |
0円 |
出店ハードルが低い |
おすすめされる企業: - 新規顧客接点を素早く拡大したい事業者 - 自社ECと併用でマルチチャネル展開を進めたい事業者
月商規模別のおすすめプラットフォーム
「現在の月商規模」だけで選ぶと、3年後の成長フェーズで再リプレイスを迫られるケースが少なくありません。立ち上げ2年目で月商が10倍になり、最初に選んだ無料プランの制約に詰まる。
実務ではよく聞く話です。本章では月商規模別の候補を整理しつつ、「3年後を見据えた選び方」の視点も織り込みます。
月商100万円未満:スモールスタートにおすすめ
EC立ち上げ初期、需要そのものをまず検証していくフェーズです。初期費用を抑え、運用負荷を最小化することが優先されます。
-
おすすめタイプ:ASP・SaaS型(無料〜低額プラン)
-
代表サービス:BASE、STORES、カラーミーショップ、Shopify Basic
-
判断基準:初期費用ゼロ、即日〜数日で開設可能、運用に専門知識が不要
このフェーズで効くのは「立ち上げのスピード」と「変更のしやすさ」。需要検証の段階で重い投資を背負うと、撤退・変更時の損失が膨らみます。
月商100〜500万円:機能とコストのバランスを取りたい場合
商品点数や注文数が増え、運用効率・分析・マーケティング機能が必要になるフェーズです。
-
おすすめタイプ:ASP・SaaS型(中位プラン)
-
代表サービス:カラーミーショップ、MakeShop、Shopify、Shopify Advanced
-
判断基準:レポート機能、ディスカウント管理、SNS連携、メールマーケティング機能
固定費を抑えつつ、運用効率と分析機能を一段引き上げられるサービスが選ばれやすい価格帯です。
月商500〜3,000万円:成長期におすすめ
ブランド成長期に入り、独自のUX・カスタマイズ・自動化が求められるフェーズです。海外販売やオムニチャネルを視野に入れる事業者も増えてきます。
-
おすすめタイプ:ASP・SaaS型(上位プラン)、もしくはオープンソース型
-
代表サービス:Shopify Advanced、Shopify Plus、futureshop、MakeShop、EC-CUBE
-
判断基準:API・Webhook、多言語・多通貨、自動化機能、アプリエコシステム
ここで効いてくるのは「次の成長フェーズに耐えられるか」という視点です。3,000万円を超えた段階でリプレイスを迫られると、移行コスト・SEO引き継ぎ・運用切り替えのコストが膨らみます。
月商3,000万円以上:基幹連携・大規模運用におすすめ
中〜大規模EC、エンタープライズフェーズです。基幹システム連携、BtoB対応、グローバル展開、独自業務フローなど、要件が一段高度化します。
-
おすすめタイプ:エンタープライズ向けSaaS、パッケージ型、フルスクラッチ
-
代表サービス:Shopify Plus、ecbeing、ebisumart、Adobe Commerce、SI Web Shopping、Salesforce Commerce Cloud
-
判断基準:基幹連携、BtoB機能、マルチストア管理、SLA、専任サポート
この規模では、「リプレイス時のデータ移行・SEO引き継ぎ・運用継続性」まで含めた総合判断が求められます。
月商別おすすめマトリクス
|
月商レンジ |
おすすめタイプ |
代表的なプラットフォーム例 |
|---|---|---|
|
100万円未満 |
ASP・SaaS型 |
BASE、STORES、カラーミーショップ、Shopify Basic |
|
100〜500万円 |
ASP・SaaS型 |
カラーミーショップ、MakeShop、Shopify、Shopify Advanced |
|
500〜3,000万円 |
ASP・SaaS型/オープンソース型 |
Shopify Advanced、Shopify Plus、futureshop、MakeShop、EC-CUBE |
|
3,000万円以上 |
エンタープライズSaaS/パッケージ型 |
Shopify Plus、ecbeing、ebisumart、Adobe Commerce、SI Web Shopping、Salesforce Commerce Cloud |
※2026年5月時点。各プラットフォームの最新情報は公式サイトでご確認ください。
目的・要件別のおすすめプラットフォーム
事業規模だけでなく、「何を実現したいか」も候補を絞る重要な切り口です。代表的なユースケース別に、適した選択肢を並べます。
D2C(自社ブランド販売)におすすめ
ブランドの世界観をEC上で表現し、顧客データを自社に蓄積したいD2Cブランド。デザインの自由度とマーケティング機能を兼ね備えたプラットフォームが向きます。
-
候補:Shopify、futureshop、MakeShop、EC-CUBE
-
重視するポイント:テーマ・テンプレートの柔軟性、SNS連携、メールマーケティング、サブスクリプション販売
BtoB(卸売)ECにおすすめ
法人顧客向けのEC(B2B)では、企業アカウント管理、得意先別価格、見積もりフロー、請求書払いといった特殊機能が必要になります。
-
候補:Shopify Plus、ecbeing、SI Web Shopping、Adobe Commerce
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重視するポイント:B2B価格設定、企業アカウント、見積もり機能、支払い条件管理
国内BtoB-EC市場規模は465.2兆円、EC化率は40.0%(出典:経済産業省『令和5年度 電子商取引に関する市場調査』2024年公表)。BtoCをはるかに上回る規模感です。
BtoB対応の有無は、見落とせない判定軸の一つになります。
越境EC・海外展開におすすめ
海外販売や越境ECを進めるなら、多言語・多通貨対応、海外決済、グローバルロジスティクス連携が必須要件になります。
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候補:Shopify、Shopify Plus、Adobe Commerce、WooCommerce
-
重視するポイント:多言語・多通貨、海外決済、国別ストア運営
日本→中国の越境EC市場は2.4兆円、日本→米国は1.4兆円規模(出典:経済産業省『令和5年度 電子商取引に関する市場調査』2024年公表)。越境ECは引き続き伸びている領域です。
OMO(実店舗連携)におすすめ
実店舗を持つ事業者がOMO(Online Merges with Offline)に踏み込むなら、ECとPOSのデータ統合、在庫一元管理、店舗連動キャンペーンが鍵になります。
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候補:Shopify(Shopify POS)、ecbeing、futureshop
-
重視するポイント:オンライン・店舗の在庫一元管理、POS連携、顧客データ統合
サブスクリプション販売におすすめ
定期購入・サブスクを主軸に据えるなら、定期購入管理、解約防止、配送頻度の柔軟設定が要になります。
-
候補:Shopify(サブスクアプリ)、futureshop、MakeShop、ecbeing
-
重視するポイント:定期購入管理、顧客マイページ、解約フロー設計
越境EC+国内EC両方を視野に入れる場合のおすすめ
国内市場で土台を作りつつ、将来的に海外展開も視野に入れる事業者には、多言語・多通貨に標準対応し、国内決済・国内配送にも強いプラットフォームが向きます。
-
候補:Shopify、Shopify Plus、futureshop
-
重視するポイント:標準の多言語・多通貨機能、国内決済、グローバル決済の両対応、海外配送連携
【無料相談】貴社の事業規模・目的に応じたおすすめプラットフォームをご提案 「自社にとってのおすすめが分からない」とお悩みの方へ。Shopifyの専門家が、貴社の事業フェーズ・要件・将来計画を踏まえて、最適なプラットフォームの候補をご提案します。
ECサイトのおすすめを選ぶための7つの判断軸
ECサイトの「おすすめ」を料金やランキングだけで決めると、後悔につながりやすい領域です。中長期で運用する前提で、次の7つの軸で評価していくのが実務的でしょう。
軸1:初期費用・月額費用・決済手数料(TCO視点)
表面的な月額料金ではなく、TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)で評価することが要点です。考慮すべきコストは次の通り。
-
初期費用(システム導入費)
-
月額費用(プラン料金)
-
決済手数料(取引額の3〜5%が一般的)
-
アプリ・拡張機能費用
-
カスタマイズ・改修費用
-
運用人件費・外注費
月額料金が安くても、決済手数料やアプリの積み上げで実質コストが上振れするケースは少なくありません。月商規模を仮置きしたシミュレーションが効きます。
軸2:機能要件との適合度
事業に必要な機能を「Must(必須)/Should(推奨)/Could(あれば)」で整理し、各プラットフォームの標準機能・拡張機能と照らし合わせます。
確認したい代表的な機能: - 商品管理・在庫管理(バリエーション・複数ロケーション) - 決済(クレジットカード、コンビニ、後払い、QR決済) - 配送設定(地域別・重量別) - 顧客管理・セグメント - レポート・分析 - マーケティング機能(ディスカウント、メール、SNS連携) - 多言語・多通貨
軸3:カスタマイズ性・拡張性
一般論として、ASP・SaaS型はカスタマイズに一定の制約があり、オープンソース型・パッケージ型・フルスクラッチ型は自由度が高いとされます。ただし最近のASP・SaaS型はアプリエコシステムを通じて、相当幅広い機能拡張に対応できるようになっています。
「どこまでカスタマイズが必要か」を要件から逆算し、過不足のないタイプを選ぶのが要点です。
軸4:サポート体制・運用負荷
導入時のサポート、運用時のサポート、24時間対応の有無、日本語対応の可否を確認します。トラブル発生時の対応速度は機会損失に直結するため、軽視できない要素です。
ASP・SaaS型はサービス側のサポートが手厚い傾向、オープンソース型は自社・開発パートナー側の体制が前提、パッケージ型はベンダーサポートが中心と、タイプごとに特徴が分かれます。
軸5:セキュリティ・コンプライアンス
クレジットカード決済を扱う以上、PCI DSS準拠は必須です。2024年3月からはPCI DSS Version 4.0の要件が強化されています(出典:PCI Security Standards Council)。
加えて、2022年の改正個人情報保護法により、漏えい時の報告義務やCookie規制への対応も求められます(出典:個人情報保護委員会)。
ASP・SaaS型はプラットフォーム側で多くを担保しますが、オープンソース型・フルスクラッチ型では自社の責任範囲が広がる点は押さえておきたい論点です。
軸6:スケーラビリティ(成長対応力)
アクセス急増、商品点数の増加、海外展開、BtoBチャネル追加など、将来の成長要因に耐えられるかを確認します。スケールアップ時にプラットフォームのリプレイスを余儀なくされると、データ移行・SEO引き継ぎ・運用切り替えのコストが膨らみます。
軸7:アプリ・パートナーエコシステム
機能拡張をどの程度アプリで吸収できるか、認定パートナー・開発者コミュニティの規模はどうか、を見ます。エコシステムが大きいほど、必要な機能を素早く・低コストで実装できます。
各社ともアプリストア・パートナーネットワークを提供しており、規模感は公式サイトでご確認ください。
7つの判断軸の使い方
7軸すべてを満点で満たすプラットフォームは存在しません。自社にとって優先度の高い軸に重み付けをして、相対評価する形が現実的です。
|
評価軸 |
優先度の例(D2C) |
優先度の例(BtoB) |
優先度の例(越境EC) |
|---|---|---|---|
|
TCO |
中 |
中 |
中 |
|
機能要件 |
高 |
高 |
高 |
|
カスタマイズ性 |
中 |
高 |
中 |
|
サポート |
中 |
高 |
高 |
|
セキュリティ |
高 |
高 |
高 |
|
スケーラビリティ |
高 |
中 |
高 |
|
エコシステム |
高 |
中 |
高 |
※業種・要件により優先度は変動します。社内の関係者と合意形成しながら、自社版の優先度マトリクスを作っていく進め方が現実的です。
ECサイト制作会社のおすすめの選び方
ECサイト構築では、プラットフォーム選定と並行して「どの制作会社に依頼するか」も大きな論点です。同じプラットフォームでも、制作会社の力量で完成度・運用効率は大きく変わります。
本章では、制作会社を見極める観点を整理します。
制作会社の3つのタイプ
ECサイト制作会社は、得意領域・提供範囲によって大きく3タイプに分かれます。
1. プラットフォーム特化型 特定のECプラットフォーム(Shopify、ecbeing、EC-CUBE等)に特化し、認定パートナー・公式パートナーとして実績を積んでいる制作会社です。プラットフォームへの深い知見、最新機能への追従、トラブル時の対応力に強みがあります。
2. デジタルマーケティング統合型 EC構築だけでなく、SEO・広告運用・CRM・コンテンツマーケティングまで統合的に支援する制作会社です。構築後の集客・売上拡大まで一気通貫で伴走できる強みがあります。
3. システム開発・SIer型 基幹システム連携、独自カスタマイズ、フルスクラッチ開発などを得意とする制作会社です。中〜大規模EC、エンタープライズ案件で選ばれる傾向にあります。
制作会社をおすすめできるかどうかを見極める7つのポイント
ECサイト制作会社の見極めは、次の7つの観点で評価できます。
1. 該当プラットフォームの公式・認定パートナーであるか
Shopify Partner、ecbeingパートナー、EC-CUBEオフィシャルパートナーなど、公式のパートナーステータスは、技術力・信頼性の一次的な目安になります。
2. 類似業種・類似規模の構築実績があるか
自社と同じ業種・同じ規模の構築実績があるかを確認します。アパレル、食品、コスメ、BtoB、サブスクリプションなど、業種特有の要件への対応経験は、品質と工期に直結します。
3. 構築だけでなく運用支援まで提供できるか
公開がゴールではなく、公開後の改善PDCAまで伴走できる制作会社が望ましい姿です。GA4による分析、CVR改善、リピート率向上などの運用支援実績を確認します。
4. 見積もりの透明性が高いか
初期費用・カスタマイズ費用・運用費用の内訳が明示されているか、追加費用の発生条件が明確かを確認します。「一式」で済まされる見積もりは、後工程でのトラブルの温床になりやすい論点です。
5. プロジェクトマネジメント体制が整っているか
専任PM、スケジュール管理、進捗報告の頻度、変更管理のフロー。プロジェクトを健全に進める体制が整っているかは、構築品質と工期に直結します。
6. ベンダーロックインに配慮しているか
「うちの独自仕様にロックインさせる」のではなく、「将来的に他社へ移行する場合でも困らない設計」を提案できる制作会社が、長期的には頼りになります。
7. コミュニケーションの相性が良いか
3〜6ヶ月にわたる構築プロジェクトでは、担当者とのコミュニケーションのスムーズさが意思決定の精度を左右します。提案段階の対応スピード、質問への回答の的確さ、社内の運用担当者との相性まで確認します。
制作会社の選定で避けたいパターン
逆に、避けたい制作会社の傾向もあわせて押さえておくと、選定の精度が上がります。
-
「実績豊富」と言いつつ、具体的な類似案件の事例を示せない
-
見積もりに「一式」が多く、内訳が不透明
-
自社のリソースに余裕がなく、レスポンスが極端に遅い
-
プラットフォーム選定の段階で、自社の強みに合うプラットフォームばかり推す
-
構築後の運用・改善支援のメニューを持っていない
-
過去のトラブル対応や引き継ぎ経験について質問しても、具体例が出てこない
制作会社の選定ステップ
制作会社を見極める実務ステップは、次のとおりです。
-
要件定義:自社の事業目標・必須機能・予算・公開希望時期を言語化する
-
ロングリスト作成:プラットフォーム公式パートナーリスト、業界実績、第三者レビューから候補を10社程度ピックアップ
-
RFP送付:要件定義書をもとに3〜5社へ提案依頼書を送付
-
提案・デモ受け:各社の提案内容、プロジェクト体制、見積もりを比較
-
ショートリスト:上位2〜3社に絞り、参考実績の問い合わせ・現場担当者との面談を実施
-
最終決裁:提案内容・体制・コスト・コミュニケーション相性を踏まえて1社を決定
要件定義から契約締結まで、2〜3ヶ月程度を見込んでおくと安心です。
ECサイト選定で陥りがちな失敗パターン
ECサイトの選定で構造的に陥りやすい失敗パターンを整理します。事前に把握しておくだけで、選定品質は大きく変わります。
失敗1:ランキングやレビューだけで選んでしまう
「ECサイトおすすめランキング」「比較サイト評価1位」といった情報だけで選び、自社の事業フェーズや目的に合わない選択をしてしまうケース。
対策:ランキング情報は参考程度にとどめ、自社の月商規模・目的・運用体制を起点に候補を絞る。
失敗2:表面的な月額料金だけで比較する
月額料金だけを見て「A社が安い、B社が高い」と判断すると、決済手数料・アプリ費用・カスタマイズ費用が積み上がり、想定よりコストが膨らむケース。
対策:月商規模を仮置きしたTCOシミュレーションを行い、3年・5年単位での総コストで比較する。
失敗3:現在の規模に合わせすぎて将来の成長に対応できない
「今は月商100万円だから無料プランで十分」と判断したものの、半年後に月商500万円に達し、プラットフォームの限界に直面してリプレイスを迫られるケース。
対策:3年後の事業計画を踏まえ、成長に追従できるプラットフォーム、もしくは将来的なリプレイスがしやすいプラットフォームを選ぶ。
失敗4:機能の多さで選んでしまい使いこなせない
機能が多いプラットフォームを選んだものの、運用体制が追いつかず、結局基本機能しか使えていないケース。
対策:必須機能(Must)と将来機能(Could)を明確に分け、現状の運用体制で活かせる機能セットから選ぶ。
失敗5:制作会社をプラットフォームと一緒くたに判断する
「Shopifyに決めたから、Shopifyに強い制作会社なら誰でも良い」「ecbeingに決めたから、ecbeingに頼めば安心」と短絡的に判断し、制作会社の力量を見極めずに発注してしまうケース。
対策:プラットフォーム選定と制作会社選定は、別の意思決定として分けて評価する。同じプラットフォームでも、制作会社によって完成度・運用効率は大きく変わる。
失敗6:運用フェーズの体制設計を先送りする
構築まではプロジェクトとして進むものの、公開後の運用体制(誰が・何を・どの頻度で行うか)が曖昧で、改善PDCAが回らなくなるケース。
対策:選定段階で運用体制(社内担当・外注パートナー・役割分担)を設計し、運用工数を見込んだプラットフォーム選定・制作会社選定を行う。
カゴ落ち率の業界平均は70.19%(出典:Baymard Institute 2025年)、ページ表示速度が1秒遅れるごとにCVRが7%低下する(出典:Google『The Need for Mobile Speed』2018年)。こうした業界データを踏まえれば、構築後の継続的なUX改善・パフォーマンス改善が売上に直結することは明らかです。
運用フェーズの体制設計は、選定段階から並行して進めるのが定石です。
まとめ
ECサイトの「おすすめ」は、画一的なランキングではなく、自社の事業フェーズ・目的・運用体制を起点に見極めるものです。プラットフォーム・制作会社のいずれも、自社の状況とのマッチングが何より重要。
表面的な料金や人気ランキングだけで判断するのは避けたい領域です。
ECサイト選びを成功させる5つのポイント
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「自社にとってのおすすめ」を見極める ランキング上位ではなく、事業フェーズ・目的・運用体制を起点にプラットフォームを選びます。
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5つの構築タイプの特性を理解する ASP・SaaS型/オープンソース型/パッケージ型/ECモール型/フルスクラッチ型の特性を押さえ、自社に合うタイプを絞り込みます。
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「今」だけでなく「3年後」を見据えて選ぶ 現在の月商規模だけでなく、3年後の事業計画における到達点を踏まえ、成長に追従できる選択をします。
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7つの判断軸で多面的に評価する 費用・機能・カスタマイズ性・サポート・セキュリティ・スケーラビリティ・エコシステムの7軸で評価し、自社の優先度に応じて相対評価します。
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プラットフォームと制作会社は別軸で選ぶ プラットフォームの選定と制作会社の選定は、それぞれ独立した意思決定として進めます。制作会社は、公式パートナーステータス・類似実績・運用支援力・見積もり透明性・PM体制・ロックイン配慮・コミュニケーション相性の7観点で評価します。
最初の一歩を踏み出そう
ECサイトのおすすめを探す場面で最も避けたいのは、「ランキングを見て、なんとなく決める」というアプローチです。まずは自社の「3年後の事業目標」と「Must要件」を言語化するところから始めてみてください。
ゴールが明確になれば、候補は自然と数社に絞り込まれ、判断の精度が一段上がります。
プラットフォームも制作会社も、自社の事業を共に伸ばしていくパートナーです。長期的な視点で、納得感のある選択を積み重ねていただければと思います。
【無料相談】貴社のEC事業に最適なプラットフォーム・体制をご提案 ECサイト構築でおすすめのプラットフォーム・制作会社をお探しの方へ。Shopifyの専門家が、貴社の事業規模・目的・運用体制に合わせて、最適な構築方法・パートナー選定までご相談を承ります。具体的な比較資料の作成、要件定義のサポート、競合プラットフォームとの並列比較も可能です。
参考文献
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経済産業省『令和5年度 電子商取引に関する市場調査』2024年公表(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/ie_outlook.html)
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Baymard Institute “Cart Abandonment Rate Statistics” 2025年(https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate)
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Google『The Need for Mobile Speed』2018年
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PCI Security Standards Council(PCI DSS v4.0)(https://www.pcisecuritystandards.org/)
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個人情報保護委員会(改正個人情報保護法)(https://www.ppc.go.jp/)
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各ECプラットフォーム公式サイト(BASE、STORES、カラーミーショップ、MakeShop、Shopify、futureshop、EC-CUBE、WooCommerce、Adobe Commerce、ecbeing、ebisumart、SI Web Shopping、Orange EC、Salesforce Commerce Cloud)(2026年5月時点)
※本記事内のプラットフォーム料金・機能等は2026年5月時点の公開情報に基づきます。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。




