日本国内では、毎年数十億個もの荷物が配送されています。企業は配送だけで年間数兆円を費やしていますが、これはフルフィルメント全体のコストのほんの一部に過ぎません。
オンラインストアを運営する場合、配送とフルフィルメントは予算の大きな部分を占めるでしょう。Shopifyのデータによると、マーチャントは年間経費の平均8.7%を配送に費やしています。
顧客は迅速な配送を求めていますが、商品を素早く梱包・発送するにはコストがかかります。平均的なフルフィルメントコストを理解し、それを最小限に抑える方法を見つけることが、ビジネスの収益性を維持する鍵となります。
フルフィルメントコストと3PLコストとは
フルフィルメントコストとサードパーティロジスティクス(3PL)コストには、以下に関連するすべての費用が含まれます。
- 在庫の受け取りと保管
- 注文が入った際の商品の梱包
- 顧客への注文の発送
- オーダーフルフィルメントプラットフォームなど、関連するソフトウェアシステムの管理
正確な在庫管理の重要性
在庫がなければ注文を処理できません。適切な在庫管理により、適切なタイミングで適切な商品を在庫として確保でき、在庫切れを防ぐことができます。在庫切れは小売業者に年間数千億円規模の売上損失をもたらしています。
しかし、在庫の確保はバランスが重要です。需要を満たすのに十分な商品が必要である一方、在庫を過剰に保管すると、ほとんどのフルフィルメントサービスが月額保管料を請求するため、コストが増加します。
在庫管理システムを活用すれば、次のことが可能になります。
- 在庫レベルの自動追跡
- 売れていないデッドストックの特定
- 動きの遅い商品の検出
- アウトソーシングや手元に保管する在庫量に関する、より賢明な意思決定
フルフィルメントコストを理解する
サプライヤーから顧客へ商品を届けるまでの各段階でコストが発生します。経理担当者は、正確な記録を維持するために、フルフィルメントプロセス全体を通じてこれらの費用を追跡する必要があります。
入庫配送
サプライヤーから在庫を受け取る際、倉庫や店舗まで運ぶための費用が発生します。これらのコストは、航空便、海上輸送、貨物輸送など配送方法によって異なり、さらに支払う必要がある輸出入税も含まれます。配送方法を選択する際は、予算と配送スピードの両方を考慮しましょう。
サードパーティロジスティクス(3PL)
3PLプロバイダーやフルフィルメントサービスを利用する場合、初期費用と継続的なコストが発生します。まず、初期設定とソフトウェア統合があります。次に、商品のサイズや冷蔵などの特別な要件に応じて変動する在庫保管料を支払います。
また、カスタマーサービス、管理業務、ビジネスに必要な追加サービスをカバーするアカウント管理費も発生します。
人件費
フルフィルメントプロセスの各段階で人手が必要です。作業員は在庫を受け取って記録し、商品を適切に保管し、注文品をピッキングし、梱包と発送を処理します。また、返品の処理も行います。これらの人件費は、ビジネスが成長し注文数が増えるにつれて大きくなる可能性があります。
ピッキング・梱包手数料
フルフィルメントセンターが注文を処理する際、商品の場所特定と梱包に対してピッキング・梱包手数料を請求します。これらは通常、商品やサービスプロバイダーによって異なりますが、1品あたり20円から500円程度の範囲です。
その他のコスト
配送用の箱や封筒などの資材、使用するカスタムパッケージ、同梱する注文書やプロモーション資料などを考慮する必要があります。また、返品処理と商品の再入庫にかかるコストも計上しましょう。
フルフィルメントコストの計算方法
フルフィルメントにかかる費用を把握することで、不要なコストを削減し、価格戦略を調整できます。フルフィルメントコストを測定する3つの方法を紹介します。
1. 注文あたりのコスト(CPO)
注文あたりのコスト(Cost Per Order、CPO)は最も一般的な測定方法です。各注文の処理にかかる費用を示し、経費をカバーする価格設定に役立ちます。
CPOを計算するには、一定期間の注文費用総額を受注総数で割ります。
CPO = 注文費用総額 / 受注数
2. 箱あたりのコスト(CPB)
通常、注文を複数の箱で発送する場合、箱あたりのコスト(Cost Per Box、CPB)により、フルフィルメント支出をより詳細に把握できます。
CPBを計算するには、一定期間の注文費用総額を発送した箱の総数で割ります。
CPB = 注文費用総額 / 発送箱数
3. 売上高に対するコストの割合
この測定方法は、収益のうちどれだけがフルフィルメントコストに充てられているかを示します。多くの企業が、競合他社や業界標準と比較するために使用しています。
この数値は、ビジネス規模(大企業はスケールメリットの恩恵を受けることが多い)や時間経過に伴う売上実績によって変動します。
売上高に対するコストの割合を計算するには、フルフィルメントコスト総額を純売上高で割り、100を掛けます。
売上高に対するコストの割合 = (注文費用総額 / 純売上高) × 100
フルフィルメントコストにおける課題
変動する配送料金
配送コストは、天候条件、燃料サーチャージ、繁忙期などにより頻繁に変動します。配送戦略を多様化することで、料金変動からビジネスを守ることができます。ある配送業者が値上げした場合、別の業者に切り替えてコストを抑えられます。
Shopify配送サービスを利用すれば、DHL、UPS、日本郵便などの配送業者で最大88%節約できます。「過去30日間で、Shopify配送サービスにより25,454ドル(約397万円)の配送コストを節約しました。これは年間約305,448ドル(約4,765万円)に相当します」と、SnarkyTeaのCEO、ジェニ=リン・ウィリアムズは語っています。
梱包資材のコスト
配送料金が安定していても、梱包コストの上昇がフルフィルメントコストに影響を与える可能性があります。インフレや原材料不足は、段ボール、紙、緩衝材の価格に影響します。一部の専門家は、配送用の箱のコストが今後1年間で最大17%増加する可能性があると予測しています。
これらのコストを削減するには、日本郵便、FedEx、DHL、UPSなどの配送業者が提供する無料の配送用箱の利用を検討しましょう。
在庫保管料
フルフィルメントプロバイダーは、倉庫での在庫保管に対して保管料を請求します。パレット単位、ビン単位、立方メートル単位のいずれで請求されるにせよ、スペースが多いほどコストは高くなります。
保管料を削減するには、次の方法があります。
- 商品パッケージをよりスペース効率の良いものにする
- ジャストインタイム(JIT)在庫管理を使用して、必要になる直前に配送センターに在庫を発送する
- 倉庫への出荷を統合して取扱手数料を削減する
- 回転の速い商品はアウトソーシングし、動きの遅い在庫は自社で処理する
変動する人件費
ほとんどのビジネスは、年間を通じて一定の売上を維持しているわけではありません。季節商品を販売していなくても、ブラックフライデーのようなイベントが注文量の変動を引き起こします。
繁忙期には、フルフィルメントサービスが追加スタッフを雇用し、多くの場合、ピークシーズンサーチャージとしてこれらのコストを小売業者に転嫁します。
たとえば、Amazonは過去に、ピークシーズン中に大型標準箱でTシャツを発送する場合の米国フルフィルメント手数料を7%引き上げました。
一貫性のない注文量
フルフィルメントプロバイダーは通常、注文量が多いほど良い料金を提供します。これは季節性のあるビジネス、たとえば夏は忙しいが冬は閑散とする日焼け止め小売業者などにとって課題となります。使用量が一定でないため、3PLは大量割引の提供をためらう可能性があります。
これらのコストを管理するには、ハイブリッドフルフィルメントを検討しましょう。オフシーズンの注文は自社で処理し、繁忙期にはフルフィルメントプロバイダーを利用することで、最も必要なときにのみサービス料金を支払うことができます。
Shopify配送サービスを利用するShopifyマーチャントは、注文量に関係なく常に最適な配送料金の恩恵を受けられます。
返品管理コスト
オンライン購入の約17%が返品されるため、従業員の時間であれフルフィルメントプロバイダーの手数料であれ、これらの返品処理にはコストがかかります。
返品コストを削減するには、
- 保護パッケージと詳細な商品情報・写真で返品率を下げる
- セルフサービス返品を提供して人件費を削減する
- 返品に手数料を課して処理コストの相殺を検討する
- 顧客が実店舗で商品を返品できるようにして3PLの返品手数料を回避する
3PLプロバイダーの選び方でコスト削減
在庫管理と配送を効率化するためにフルフィルメントをアウトソーシングする予定がある場合、プロバイダーを選択する際に考慮すべき4つの重要な要素があります。
1. ソフトウェア統合
ビジネスニーズに合った倉庫管理システムを持つ3PLを探しましょう。最適なプロバイダーは、顧客関係管理(CRM)ソフトウェアや在庫管理システムなど、既存のツールと統合できます。3PLのソフトウェアがビジネスとともに成長できることを確認しましょう。
2. 戦略的な立地
顧客の近くに倉庫を持つ3PLは、配送コストと配送時間の削減に役立ちます。たとえば、Shopifyフルフィルメントネットワークは、ストアをFlexportと接続します。
Flexportは米国全土に配送センターを持っています。これにより、顧客により近い場所に在庫を保管し、配送コストを削減し、より迅速な配送を提供できます。
「Flexportは、Kizikビジネスの新たな成長分野を発見するのに役立ち、顧客やパートナーに優れた配送体験を提供し続けることができています」と、Kizikの最高執行責任者、ジェイソン・リーは述べています。
3. 業界の専門知識
ビジネスタイプを理解している3PLを選びましょう。たとえば、化粧品を販売している場合、冷凍食品ロジスティクスを専門とするプロバイダーは適していません。業界固有の経験は、多くの場合、より良いサービスとコスト削減につながります。
4. 交渉力
3PLは配送業者や運送会社と契約を通じて取引しています。配送業者との良好な関係を持ち、より良い配送料金や大量割引を交渉できるプロバイダーを探しましょう。
フルフィルメントコストに関するよくある質問
フルフィルメントコストは売上原価(COGS)に含まれますか?
売上原価(COGS)には、材料費、人件費、諸経費など、商品の製造と販売に直接かかるコストが含まれます。梱包や配送などのフルフィルメントコストは諸経費に該当します。
フルフィルメントコストは他のビジネス経費とどう違いますか?
フルフィルメントコストは他の経費よりも変動が大きく、販売後に発生します。商品のサイズや種類がこれらのコストに影響し、同じ業界内でも異なります。
返品とカスタマーサービスはフルフィルメントコストにどのような影響を与えますか?
返品は、社内で処理する場合でも3PLを通じて処理する場合でも、フルフィルメント費用を増加させます。コストの増加は顧客価格に影響することが多いため、フルフィルメントを効率的に管理することで、業務と収益性の両方を改善できます。
配送はフルフィルメントコストにおいてどのような役割を果たしますか?
配送は主要なフルフィルメント費用であり、特に複数の配送スピードを提供する場合はそうです。配送業者と直接交渉するか、3PLを通じて取引することで、これらのコストを削減できます。
商品のサイズと重量はフルフィルメントコストにどのような影響を与えますか?
大きくて重い商品は、小さくて軽い商品よりも保管と配送のコストが高くなります。
フルフィルメント手数料には何が含まれますか?
フルフィルメント手数料には、注文のピッキング、梱包、発送が含まれます。一部のプロバイダーは、在庫保管と返品管理にも料金を請求します。
契約フルフィルメントコストとは何ですか?
サードパーティロジスティクス企業がサービスに対して請求する手数料のことです。





