EC事業者にとって、競合他社との差別化やマーケティングによる集客と販売促進は重要な課題の一つです。商品属性を活用すれば、顧客が商品を見つけやすくなるだけでなく、購入を後押ししたり、ブランディングの役割を持たせたりすることも可能です。さらに、適切な商品属性を使用することで、EC商品管理の円滑化にもつながります。
この記事では、商品属性の意味や具体例を紹介します。マーケティング戦略や在庫管理における活用方法についても解説していますので、検索性や購買意欲の向上に役立ててください。

商品属性とは
商品属性とは、商品の機能や役割、特徴などを表したものです。具体的には、商品のサイズや色、素材、機能などが含まれます。商品属性は、主に以下の3つに大別されます。
- 物理的属性:商品の重さやサイズ、使用している素材などです。例えば洋服の場合は、「S」「M」などのサイズや、「コットン100%」「本革」などの素材に関する情報が該当します。これらの商品属性の組み合わせは、在庫管理の際のSKU(最小識別単位)としても活用されます。
- 機能的属性:商品の機能性を表す属性です。例えばイヤホンの場合は「Bluetooth対応」「ノイズキャンセリング」「骨伝導」などがあります。
- 価値観属性:上記に該当せず、購買意欲向上やブランディングに役立つ属性のことです。「省エネ」「リサイクル素材使用」などの環境への配慮、「無添加」「オーガニック」などの健康志向、「数量限定」「カスタムオーダー」などのプレミア感を示す属性が該当します。
商品属性は、顧客の購買意思決定に影響を与える重要な要素です。商品属性を明確に伝えることで、顧客が商品を見つけやすくなるだけでなく、購入の後押しとなり売上向上にもつながります。
商品属性15の例
1. 商品名
商品名は、競合他社との差別化やブランドの認知度向上において重要な要素です。商品名を考案する際には、覚えやすさや発音のしやすさだけでなく、ブランドや商品の強みとなるUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)を盛り込むと効果的です。例えば、文房具を扱うゼブラ株式会社のジェルボールペンシリーズ「サラサ」は、商品の特徴である「サラサラとした書き心地」という商品属性をわかりやすく簡潔に名称として表現した実例です。
2. 品質
品質属性は、顧客が認識する「知覚価値」と、実際の価値を決定づける要素です。高品質な素材を使用したものや熟練の職人による手作り商品は、品質属性が訴求ポイントの一つとなり、顧客は高価格帯でも納得して購入することができます。一方で品質よりも価格の安さを重視すれば、予算重視の顧客へアピールすることができるものの、耐久性の低下といったリスクを伴い、顧客満足度の低下を招く可能性があります。
例えば、土屋鞄製造所の場合、素材を熟知した職人の手による縫製や細部へのこだわりについて、ブランドストーリーとして紹介しています。これにより、丈夫さといった品質への信頼といった商品属性が知覚価値に影響を与え、価値の裏付けになっています。
3. デザイン
デザインは、顧客の第一印象や購入判断の材料となる商品属性で、見た目の美しさや機能性、ユーザー体験(UX)が含まれます。
家具のD2CブランドのKANADEMONO(カナデモノ)は、シンプルで洗練されたデザインのセミオーダー家具を販売しています。デスクチェアのスタイリッシュなデザインは、メッシュ素材による通気性の良さや、座面の高さ、奥行き、アームレストの調整といった人間工学に基づいて体に馴染む機能性につながっていると説明されています。
4. 機能
商品の機能は、顧客が得られるメリットを明確にする商品属性です。市場調査や顧客ニーズに基づいて記載する属性を選定することで、より訴求力を高めることができます。
ペットカメラを販売するFurbo(ファーボ)の商品には、「360°回転」や「AI搭載」「声かけができる」といった機能があり、不在時のペットの様子が気になる顧客に向けてアピールする効果を発揮しています。
5. サイズ・寸法
商品のサイズや寸法は、ECサイトにおいて欠かせない商品属性です。特に、家具やアパレル商品では、正確なサイズや寸法がわかりづらければ顧客が商品ページから離脱してしまう可能性が高まります。
例えば、ソファなどの大型家具の購入を検討している顧客にとっては、配置したい場所に合うサイズかどうかだけでなく、搬入時にも問題なく部屋の中に入れられるかといった点が懸念点として挙げられます。ブランド家具を扱うARMONIA(アルモニア)は、家具そのものの寸法や重量だけでなく、梱包サイズも記載しています。加えて、顧客が自宅で家具の試し置きができるようAR(拡張現実)技術を使ったツールを用意しており、購入後のイメージがつきやすい工夫がされています。
6. 色
商品そのもののカラーバリエーションは、顧客ニーズに応えるための選択肢の一つとなります。また商品によっては、ブランドアイデンティティにも影響を与えるため、色彩心理学に沿った色属性の選択が必要となります。
例えばブルーボトルコーヒーは、ブランド名やロゴに青を採用しており、安心感や清潔感を与えるだけでなく、ブランドアイデンティティを明確にアピールしています。記憶に残りやすい色使いと統一感のあるデザインは、商品ページ最適化の好例と言えます。
他にも、高級感を演出したい商品やサービスには黒や金色、温かみをアピールしたい商品にはパステルカラーを用いるといった手法があります。
7. 素材
顧客の知覚価値に影響を与える商品属性の一つに、素材があります。商品に使用されている素材は、耐久性や機能性、高級感といったイメージに強く結びつくため、顧客ニーズにあったものを選ぶことが重要です。また、環境に配慮した素材や肌に優しい低刺激素材を求める消費者も少なくありません。
特に、アパレル商品を取り扱う場合、化学繊維よりも綿や麻、シルクなどの天然素材を好む顧客は少なくありません。その理由としては、通気性の良さや肌への優しさ、触り心地や着心地の良さへのニーズが根強いことが挙げられるでしょう。
8. 訴求ポイント
訴求ポイントは、商品のメリットや特徴、独自のセールスポイントなど、マーケティング上で強調するべき商品属性のことです。競合他社との差別化を図るには、コピーライティングによって商品の性能や品質といった訴求ポイントをアピールすることが効果的です。
清助刃物は、自社ブランドの包丁において「熟練の職人と協力」「少量生産で丁寧に手作り」「プロの料理人にも満足いただける」といったキーワードを訴求ポイントに用いており、売れる商品説明の一例と言えます。
9. 安全基準・安全対策
食品やベビー用品など子供に関連する商品や日用品は、安全基準や安全対策に関する属性が重要視される傾向にあります。法的な基準を満たすのはもちろんですが、おもちゃに関しては「子供PSCマーク」「玩具安全基準(ST基準)」などの国の安全基準を満たしていることを顧客に知らせる必要があるでしょう。認証情報やレビューといったソーシャルプルーフ情報をサイトの見えやすい場所に表示し、安全性をアピールすることも大切です。
10. 革新性
ECサイトやモバイルアプリへの新たなテクノロジーや機能の導入は、競合他社にない価値をアピールすることにつながります。例えば、以下のような機能が該当します。
- AIによるパーソナライズ
- AR(拡張現実):家具のバーチャル配置やコスメのバーチャルメイク
- VR(バーチャルリアリティ):商品の体験や実演など
11. サステナビリティ
環境意識の高い顧客は、サステナビリティや環境ビジネス、エコパッケージの採用といった取り組みが行われているかどうかを購入基準の一つにしています。これらの取り組みを行っている場合は、わかりやすい表現を使って環境への取り組みを強調しましょう。
Patagonia(パタゴニア)は、商品ページで「漁網をリサイクルして海洋プラスチック汚染の削減」「フェアトレード」といった情報を商品属性として使用しています。こうしたキーワードを盛り込むことは、サスティナビリティに関心のあるターゲット層へリーチするための商品ページのSEO対策にも有効です。
12. 価格
価格は、商品の知覚価値だけでなく、ターゲット層や市場におけるポジショニング戦略にも関連する要素です。顧客の購入意思の決定や商品への期待値にも影響を与えます。
例えば、文房具としては高価格帯のMOLESKINE(モレスキン)は、ビジネスパーソンやアーティストに根強い人気を得ています。デザインのシンプルさとともに、品質と機能性の高さに特化していることを期待させる商品属性として機能しています。また、自分流に使いこなしやすいといった魅力の訴求にも説得力を与えています。
13. 生産地
商品が作られた国や地域といった属性は、ブランディングや品質、職人の技術の高さといった要素への印象を左右します。特定の業界において専門技術があると知られている国や地域の商品を、好んで購入する消費者も少なくありません。
例えば、時計なら「スイス製」、革製品なら「イタリア製」のように、その国の持つ評判や技術を重視する顧客にとっては、商品購入の判断基準となります。
14. 外部認証・認定
第三者機関や国の認証・認定といった属性は、顧客の信頼性確保につながります。これらの認証や認定を受けている場合は、ECサイトのトップページや商品ページの見やすい場所に、信頼バッジとテキストで明記しておきましょう。
SEO対策やマーケティングにおいて、サイトそのものや記載される情報、商品がどれだけ第三者から評価されているかは重要な要素です。これらのバッジやテキストを明記することは、権威付けに役立ち、購入の後押しにもなります。
15. スペック
電化製品や精密機械において、スペックは重要な商品属性です。バッテリーの寿命や情報処理速度、画面解像度といった情報をわかりやすく記載することが大切です。場合によっては表を使ったり、リスト化したりすることで、視認性を高めることもできるでしょう。
特に、購入時に必ず確認することが予想されるバッテリーの連続駆動時間や容量といった情報は、スクロールせずとも顧客の目に入る位置に配置しましょう。

商品属性が顧客の購買意思決定に与える影響
商品属性は、顧客の論理的思考と感情に働きかけます。サイズや素材、色などの物理的属性やスペックなどの機能的属性は、顧客が商品を検索したり閲覧したりする際の判断基準の一つとなります。一方で、価値観属性は顧客の価値観やアイデンティティ、安心感などに働きかけ、購入意欲を掻き立てる役割を担います。
顧客の意思決定に影響を与えやすい商品属性は、下記のように顧客セグメントによって異なります。
- 価格を重視する層:価格や容量、数量、コストパフォーマンス
- 環境意識の高い層:サステナビリティ、素材、フェアトレードなどの認証
- 最新テクノロジーを好む層:スペック、革新的な機能、従来品との互換性
- ラグジュアリー層:品質、デザイン、ブランドの知名度や評判、製造国
- 子育て層:安全性やそれに関連する認証、使いやすさ
- 衝動買いをする層:流行、限定商品、インフルエンサーや有名人による紹介

マーケティングにおける商品属性の活用方法
1. 商品説明文
魅力的な商品説明文に商品属性を効果的に活用すれば、顧客の購買意欲をかきたて、売上向上が目指せます。最もアピールしたい商品属性は、説明文の冒頭に記載し際立たせることが重要です。また、競合キーワード分析などを通して、ニーズが高く、競合他社との差別化ができるキーワードが特定できたら、それらも説明文に自然な形で入れ込みます。商品説明文でのSEO対策は、オーガニックトラフィックを増やす効果も期待できます。
2. 商品写真
視覚的な情報は顧客の印象に残りやすい傾向にあるため、商品属性がわかりやすい商品画像を活用すると効果的です。素材の質感や品質がわかる拡大写真や、実際に商品を使っている様子がわかるライフスタイル写真、一般的なものと比較してサイズ感を伝える画像を使用しましょう。
3. 販促物
マーケティングに使用する販促物にも、商品属性を組み込みましょう。ウェブサイトのコンテンツやSNS投稿、メールマーケティングでアピールすることにより、一貫性のあるブランディングが可能となります。特徴やメリットを際立たせるためには、商品のデータやスペック情報を記載しておくことも重要です。
まとめ
商品属性を明確にしておくことは、マーケティングや在庫管理を行っていくうえで重要な要素です。機能や役割、特徴を表す単語を属性として整理し、商品説明や商品写真、販促物に活用することで、顧客の購買意欲を促進し、売上や認知度の拡大へとつなげる役割を果たします。
また、商品属性をきちんとコンテンツ化することで、SEO効果による顧客の流入も期待できます。商品属性をマーケティングに取り入れて、商品の魅力を効果的に伝えましょう。
商品属性に関するよくある質問
商品属性とは?
商品属性とは、商品の機能や役割、特徴などを分類して表したものです。具体的には、商品のサイズや色、素材、機能などが含まれます。
商品属性はどう管理すべき?
商品属性の管理には、一元化されたデータベースや、商品情報管理(PIM)システムが活用されます。
マーケティングにおける商品属性の活用方法は?
- 商品説明文
- 商品写真
- 販促物




