セット組や詰め合わせなどのアソート商品の販売は、顧客の多様なニーズに応えるための有力な販売戦略のひとつです。
本記事では、アソート商品の定義やメリット、導入ステップなどを詳しく解説します。アソート商品の販売を強化したい企業はぜひ参考にしてください。

アソート商品とは
アソート商品とは、種類の異なる複数の商品を、ひとまとめにした商品のことです。多くの場合、ひとつのパッケージに詰め合わされ、独自のSKU(在庫管理単位)を持つひとつの商品として扱われます。たとえば、フレーバーの異なるチョコレートを詰め合わせたお試しセットや、入学祝い向けに文房具をまとめたギフトセットなどがあります。
バンドル販売との違い
アソート商品とバンドル販売は、目的と商品のまとめ方が異なります。バンドル販売は、販売促進を目的として、関連商品をひとまとめにして割引を提供する販売手法です。一方、アソート商品は、顧客の多様なニーズに応えることを目的として、異なる種類の商品をひとつのパッケージに梱包します。
たとえば、革のバッグを販売する際、革のメンテナンス用品をおすすめ商品として提示し、まとめ買いの割引を提供するのはバンドル販売です。一方、種類の異なる複数のコーヒー豆を、お試しセットとしてひとつに梱包したものがアソート商品です。

アソート商品を販売する7つのメリット
- 客単価の向上:顧客が単品1点だけ購入する場合と比べて、アソート商品として複数の商品をまとめて購入してもらえるため、1注文あたりの売り上げを引き上げられます。
- 販売機会の拡大:異なる種類の商品を手軽に試せるお試しセットや、贈り物需要に応えるギフトセットなど、顧客のニーズに合ったアソート商品を用意することで、単品販売では取り込めない需要を獲得できます。
- 発送プロセスの効率化:事前に商品を詰め合わせておけるため、注文が入ったらひとつのアソート商品を取り出すだけで発送準備が完了します。個々の商品の重量計測やラベル貼り付けの手間が省けるため、ピッキングや梱包にかかる時間と人件費を削減できます。
- 送料の削減:アソート商品としてまとめて購入されれば発送が1回で済むため、複数の商品が個別に注文された場合より配送料を抑えられます。
- 在庫管理の簡素化 :バラバラに販売していた複数の単品をアソート商品に統合し、単品販売をやめた場合、管理するSKU数を減らせます。在庫管理がシンプルになり、棚卸しなどの作業時間も短縮できます。
- 不良在庫の解消:動きの鈍い商品を人気商品と組み合わせてアソート商品にすることで、デッドストックの解消と在庫の健全化につながります。
- 保管スペースの有効活用:アソート商品を事前にひとつのパッケージにしておくことで、コンパクトにまとめられ、限られたスペースを有効活用できます。

アソート商品販売の実施方法
1. 組み合わせる商品を選ぶ
まずは、アソートにする商品の組み合わせを選びます。ターゲット顧客を定め、ニーズのある商品をリサーチしましょう。たとえば、ECサイトの訪問者の多くが20〜30代の女性とわかっていれば、その層の購買履歴を重点的に分析し、一緒によく購入されている商品の組み合わせを探すことができます。
組み合わせの主な例は以下の通りです。
- 使用シーンが共通する商品:たとえば、クレンジング、化粧水、保湿クリームをまとめることで、顧客はスキンケアに必要な商品を揃えられます。
- 同じカテゴリーの異なる商品:たとえば、香りの異なる複数の香水をまとめてお試しセットとして提供することで、顧客は自分好みの香りを見つけやすくなります。
- 季節・イベントに関連する商品:たとえば、バレンタインであれば、お菓子、メッセージカード、ラッピングをまとめることで、ギフトキットとして活用されやすくなります。
- 高価格帯商品のお試しサイズ:たとえば、手頃な価格のボディソープに、高価格帯ボディクリームのお試しサイズを組み合わせることで、顧客は通常より少ない負担で新しい商品を体験できます。
- 売れ行きに差がある商品 :たとえば、過剰在庫になっているキャンドルスタンドを人気のキャンドルとセットにすることで、在庫回転率の改善につなげられます。
2. 適切なタイミングで詰め合わせる
アソート商品を詰め合わせるタイミングは、需要の見通しや事業規模によって異なります。主に以下の3つのタイミングが考えられます。
- 事前に詰め合わせる:一定の需要が見込める場合は、あらかじめアソート商品を詰め合わせておきましょう。注文が入るたびに詰め合わせる手間を省き、発送業務を大幅に効率化できます。
- 注文が入ってから詰め合わせる:アソート商品の需要が不透明な場合は、注文が入った時点で商品を詰め合わせるようにしましょう。商品単体の販売機会を損なわずに済み、不要な梱包コストも抑えられます 。
- 製造段階で詰め合わせる:自社で製造している場合や、OEM(委託製造)で業者へ発注している場合は、製造・発注の段階でアソート商品として用意することもあります。たとえば、ホワイトラベル製品なら、アソート商品として企画・発注することで、パッケージングまで完了した状態で納品してもらうことができます。
製造段階で詰め合わせていない場合は、現場や倉庫でアソート商品を組み立てることになります。適切なサイズの梱包材を選び、ひとつの箱や袋に詰めましょう。ガラスなど割れやすい商品を含む場合は、バブルラップや生分解性の緩衝材を活用して商品を保護します。
3. SKUを管理する
事前に詰め合わせたり、製造段階で詰め合わせたりする場合は、アソート商品に新しいSKUを割り当てましょう。構成商品の在庫数をアソート商品に使用する分だけ減らし、アソート商品用の在庫を別で持つことで、在庫管理もシンプルになります。
注文が入ってから詰め合わせる場合は在庫管理システムを活用して、アソート商品が注文された際に構成商品の在庫が自動で引かれるように設定しておきましょう。たとえば、Shopify(ショッピファイ)を利用しているなら、Shopify Bundles(バンドルズ)を活用することで、構成商品のSKUをそのまま利用しながら在庫を自動で管理できます。
4. 保管場所を決める
詰め合わせ済みのアソート商品は、構成商品と混在しないよう専用エリアを設けて保管しましょう。ラベルや仕切りを活用してアソート商品と構成商品を明確に区別しておくことで、注文時に誤って取り出すミスを防げます。
注文が入ってから詰め合わせる場合は、構成商品をそのまま保管すればよいため、専用の保管エリアは必要ありません。
5. 注文を受け付ける
完成したアソート商品の存在を顧客に伝えましょう。たとえば、ECの場合は、アソート商品の商品紹介ページを作成し、サイトへ掲載します。また、複数のアソート商品を一覧で表示するカテゴリーページを設けたり、構成商品のページにアソート商品をおすすめ商品や関連商品として表示したりすることで、見つけてもらいやすくなります。

アソート商品を導入する際のコツ
- 需要に応じた詰め合わせを心がける:需要が不透明な段階で大量に詰め合わせると、売れ残りが発生しやすくなります。事前に詰め合わせる場合は、過去の販売データや季節トレンドをもとに需要を予測し、少量から試しましょう。需要の見通しが立たない商品は、注文が入ってから詰め合わせる方式にすれば、過剰在庫のリスクを抑えられます。
- SKUの二重管理による在庫ズレに注意する:アソート商品と構成商品の在庫が重複しないように気を付けましょう。商品を事前に詰め合わせて新しいSKUを割り当てる場合、構成商品の在庫を忘れずに調整します。注文が入ってから詰め合わせる場合は、在庫管理システムを活用し、アソート商品が注文されると構成商品の在庫が自動で減算される仕組みを構築しましょう。
- 構成商品が欠品しないようにする:構成商品のいずれかが欠品すると、アソート商品の販売が止まります。構成商品ごとに安全在庫数を設定し、欠品を未然に防ぐ仕入れ計画を立てましょう。年末商戦やギフトシーズンなど、需要の高い時期は、構成商品の在庫を通常より多めに確保しておくことをおすすめします。
- 追加コストを事前に把握しておく:アソート商品は複数の商品をひとつに梱包するため、梱包材の用意が必要になり、詰め合わせる手間もかかります。また、複数の商品をまとめることで総重量が増えるため、送料も高めになることが多いです。事前にコストを算出して、販売価格に反映させましょう。
- 適切な価格を設定する:アソート商品の価格が構成商品の単品合計より高い場合、顧客は割高と感じ購入を避ける傾向があります。構成商品の原価、梱包コスト、送料を踏まえた上で、適切な利益が確保できる価格を設定しましょう。贈答用にパッケージが工夫されたギフトセットや、小分けにされた複数の商品を試せるセットは、利便性や開封体験といった付加価値も訴求できます。
まとめ
アソート商品を活用することで、顧客ニーズへの対応と業務効率化を同時に実現できます。在庫管理や価格設定など運用上の注意点を押さえれば、導入のハードルは決して高くありません。自社の商品ラインナップを見直し、組み合わせられる商品がないか検討するところから始めてみましょう。
アソート商品に関するよくある質問
アソート商品とは?
アソート商品とは、種類の異なる複数の商品をまとめて、ひとつの商品としたものを指します。
アソート販売とセット販売の違いは?
アソート商品とセット販売は、目的と販売方法が異なります。セット販売はバンドル販売と同じ意味で使われることが多く、複数の関連商品をまとめて割引価格で販売する手法を指します。一方、アソート販売は、顧客の多様な需要に応えることを目的として、異なる種類の商品を事前にひとつにまとめて販売します。
アソート商品のメリットは?
- 客単価の向上
- 販売機会の拡大
- 発送プロセスの効率化
- 送料の削減
- 在庫管理の簡素化
- 不良在庫の解消
- 保管スペースの有効活用
アソート商品の導入手順は?
- 組み合わせる商品を選ぶ
- 適切なタイミングで詰め合わせる
- SKUを割り当てる
- 保管場所を決める
- 注文を受け付ける




