海外への販売を広げる手段として、各国のマーケットプレイスへの出品があります。すでに多くの利用者を抱えるプラットフォームに出品すれば、自社ECサイトを一から構築しなくても、海外の顧客に商品を届けられます。
この記事では、世界の主要なマーケットプレイスを紹介します。海外への販売に取り組みたい企業は、参考にしてください。

オンラインマーケットプレイスとは
オンラインマーケットプレイスとは、商品やサービスの売り手と買い手をつなぐプラットフォームです。多数の事業者が出品することで、ユーザーは多くの商品を一か所で比較しながら選べます。
マーケットプレイスの種類
- B2C:Amazon(アマゾン)やAliExpress(アリエクスプレス)など、企業が一般消費者に向けて商品やサービスを提供する形態
- C2C:メルカリやヤフオクなど、一般消費者同士で商品やサービスの売買が行われる形態
- B2B:Alibaba(アリババ)やスーパーデリバリーなど、企業が企業に向けてサービスや商品を提供する形態
マーケットプレイスと自社ECサイトの違い
マーケットプレイスと自社ECサイトは、運営の主体が異なります。マーケットプレイスはプラットフォーム提供企業が運営し、複数の企業が出店します。一方、自社ECサイトは一企業が単独で運営します。
世界のマーケットプレイス10選
1. Amazon
Amazonは20か国以上に展開している世界最大級のマーケットプレイスです。国ごとにドメインの異なるマーケットプレイスが存在し、たとえばアメリカはamazon.com、イギリスはamazon.co.uk、日本はamazon.co.jpというように分かれています。さらに、一般消費者向けだけではなく、法人や個人事業主向けに、法人価格や請求書払いに対応したAmazon Business(アマゾンビジネス)も展開しています。
日本から海外向けに出店する場合は、Amazon Global Selling(アマゾングローバルセリング)という仕組みを使います。日本のAmazonアカウントを用いて複数国のAmazonマーケットプレイスに出品可能で、サポートも豊富です。たとえば、フルフィルメント by Amazon(FBA)という物流代行サービスを利用すれば、Amazonの倉庫に在庫を納品するだけで、ピッキング、梱包、出荷までAmazonが代行してくれます。
基本情報
- ユーザー規模:月間ユーザー数は約3億1,000万人
- 主要な市場:アメリカ、ドイツ、イギリス、日本
- 主力商品:食品・飲料、日用品、ホーム・キッチン、家電、スキンケアなど
- 料金:販売手数料は商品カテゴリーによって異なるが、おおむね8〜15%。このほか、出品プランの月間登録料やFBA海外発送手数料など、利用するサービスに応じた費用がかかる
2. eBay
eBay(イーベイ)は、世界190以上の国に展開するマーケットプレイスです。固定価格だけでなく、オークション形式での販売や値下げ交渉なども可能です。
日本から海外向けに出店する場合は、日本法人のイーベイ・ジャパンが支援しており、日本語での出品サポートやセラー向けの情報提供を受けられます。配送面では、公式の物流サービスであるeBay SpeedPAK(イーベイスピードパック)を利用でき、大手配送業者と比べて比較的安く配送できます。
基本情報
- ユーザー規模:年間アクティブバイヤー数は約1億3,400万人
- 主要な市場:訪問数の約70%をアメリカが占め、次いでメキシコ、イギリス、ブラジル、カナダなどで利用されている
- 主力商品:中古品、コレクター品、自動車パーツ、時計、カメラ、トレーディングカードなど
- 料金:落札手数料は、商品カテゴリーやストアプランによって料率が異なる。このほか、出品手数料やストアプランの月額料金、海外決済手数料など、利用するサービスに応じた費用がかかる。
3. Etsy
Etsy(エッツィー)は、ハンドメイド作品やヴィンテージ品に特化したマーケットプレイスです。世界中の作り手と買い手が集まり、購入者は出品者と直接やり取りしながら買い物を楽しめます。
出店する場合は、決済サービスのEtsyペイメントの利用が必須です。なお、日本のセラーはPayoneer(ペイオニア)アカウントを連携することで、売上金を日本円に両替して国内の銀行口座で受け取ることができます。
基本情報
- ユーザー規模:年間アクティブバイヤー数は約8,660万人
- 主要な市場:訪問数の56.86%をアメリカが占め、次いでイギリス、カナダ、ドイツ、フランスなどで利用されている
- 主力商品:ハンドメイドアクセサリー、アート、クラフト作品などが中心で、手作りや一点もの、年代物が好まれる傾向がある
- 料金:取引手数料は、商品価格に送料などを加えた合計金額の6.5%。このほか、出品料や決済手数料など、利用するサービスに応じた費用がかかる
4. Tmall Global
Tmall Global(天猫国際、ティーモールグローバル)は、アリババグループが運営する中国最大級のマーケットプレイスで、海外のブランドや小売事業者が中国の消費者へ直接販売するための入口となっています。
日本から出店する場合、中国法人を設立する必要はありませんが、海外で登録された会社であることや、取り扱う商品の商標登録証を保有していることなどの条件を満たす必要があります。実務面では、出店申請からストア運営、中国語対応までをTP(ティーモールパートナー)に委託するのが一般的です。
基本情報
- ユーザー規模:月間アクティブユーザー数は約7億5,000万人。
- 主要な市場:中国
- 主力商品:美容・スキンケア、健康食品、ベビー用品、日用品など。日本ブランドの化粧品や日用品は人気が高く、ECデータラボの調査によると、2023年の海外サプリメント売上トップ10にFANCL(ファンケル)がランクインしている。
- 料金:販売手数料は0.5%〜5%。このほか、出店時の保証金や年間のサービス料などが必要。
5. JD Worldwide
JD Worldwide(京東全球、ジンドンワールドワイド)は、中国のEC大手である京東グループが運営するマーケットプレイスで、Tmallに次ぐ規模を持ちます。自社でJD Logistics(ジンドンロジスティクス)という物流サービスを運営し、倉庫業務の無人化や配送の効率化に取り組んでいる点が特徴です。
日本からも現地法人を設立する必要なく出店申請が可能ですが、出店資格を確かめる事前審査と必要書類を提出する本審査があり、それぞれの通過時に入金が求められます。ストアを運営するにあたり、出店申請から運営までを担う運営代行パートナーを利用するケースが一般的です。
基本情報
- ユーザー規模:JD.com全体の年間アクティブユーザー数は約7億人
- 主要な市場:中国
- 主力商品:家電やデジタル機器など
- 料金:販売手数料は約0.5%〜6%。このほか、出店時の保証金や年間サービス料など、利用するサービスに応じた費用がかかる。
6. Shopee
Shopee(ショッピー)は、シンガポールに本社を置くSea Group(シーグループ)が運営するマーケットプレイスで、東南アジアと台湾で最大級の規模を持ちます。
日本からは、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、ブラジルの7つのマーケットに出品できます。また、越境セラーになる条件として以下の4つが設定されています。
- アカウント申請から30日以内に、5商品以上を出品
- 日本から現地の購入者へ直送
- 受注から2営業日以内で発送
- 英語での顧客対応
基本情報
- ユーザー規模:約2億9,500万人
- 主要な市場:ユーザーの約60%は東南アジアで、インドネシアだけで1億人を超える
- 主力商品:ファッション、コスメ・スキンケア、健康用品・サプリメントなど
- 料金:販売手数料は出店先の国によって料率が異なる。このほか、決済手数料や出金時の為替手数料などがかかる
7. Lazada
Lazada(ラザダ)は、Tmallを運営するアリババグループ傘下のマーケットプレイスで、東南アジア6か国(インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、シンガポール)で高いシェアを持ちます。
日本から出店する場合、アカウントには2つの種類があります。1か国を対象とするローカルアカウントと、1つのアカウントで6か国を対象とするグローバルアカウントです。グローバルアカウントを使えば、一度商品を登録するだけで6か国のLazadaに掲載できますが、参入したばかりでは取得できないケースもあります。その場合、先にローカルアカウントで販売を始めて、要件を満たしてから対象国を広げていく流れになります。
基本情報
- ユーザー規模:月間アクティブユーザー数は約1億6,000万人
- 主要な市場:特にシンガポールとマレーシアでシェアが大きく、マレーシアでは月間1,300万訪問者数を記録
- 主力商品:家電、電子機器、ファッション、美容・コスメ、日用品など
- 料金:注文手数料は商品カテゴリーに応じて1〜4%。このほか、決済手数料や出金手数料などがかかる
8. Coupang
Coupang(クーパン)は、韓国を代表するマーケットプレイスです。最大の特徴は、有料メンバーシップ特典として提供される「ロケット配送(Rocket Delivery)」オプションです。深夜0時までに注文した対象商品を翌朝7時までに届けるサービスで、活用することで非対象商品よりも上位に表示されるメリットがあります。
日本の経済産業省による電子商取引に関する市場調査(令和4年度)によると、韓国はECの市場規模において世界第4位、EC化率も世界第3位となっています。そのため、世界の中でも韓国は重要なECマーケットであり、クーパンは有力な販売先です。
なお、日本から出店する場合は、日本語の営業許可証、身分証明書、銀行取引明細書などの提出が求められます。
基本情報
- ユーザー規模:月間アクティブユーザー数は約3,440万人
- 主要な市場:韓国
- 主力商品:日用品、食品、美容、家電など。日本製のアパレル商品やスポーツ用品、食品も人気がある
- 料金:商品が売れたときの販売手数料は、商品カテゴリーによって料率が異なる
9. Allegro
Allegro(アレグロ)は、ポーランドで設立されたマーケットプレイスで、同国を含む中央・東ヨーロッパで広く利用されています。
日本から出店する場合は、EEA(欧州経済領域)外の事業者向けの登録手続きが用意されており、登録フォームの入力、出金用口座の設定、必要書類の提出といった手順で事業者アカウントを作成できます。
基本情報
- ユーザー規模:アクティブバイヤー数約2,000万人
- 主要な市場:ポーランドでは同国EC市場の45~50%のシェアを持ち、1,520万人のアクティブバイヤーがいる
- 主力商品:家電、電化製品、美容・コスメ、自動車・バイク用品など
- 料金:販売手数料は商品カテゴリーによって料率が異なる
10. Pinkoi
Pinkoi(ピンコイ)は台湾発のマーケットプレイスで、デザイナーやクリエイターが制作したハンドメイド商品を中心に取り扱っています。
なお、自身でデザインや設計したものを工場などへ委託して生産した商品は販売可能ですが、大量生産品のロゴだけを変えた商品は販売できません。出店は審査制で、主にブランドのオリジナリティや商品の完成度が審査基準となるため、自社の商品が基準に適合しているか、事前に確認しておきましょう。
日本からも出店が可能で、日本語で出品した商品は自動翻訳されます。ショップ管理システムも日本語表示で、スマホからも操作可能です。海外の顧客からの問い合わせにも日本語で対応できます。
基本情報
- ユーザー規模:会員数約625万人
- 主要な市場:訪問数の約64%を台湾が占め、香港、日本、アメリカなどが続く
- 主力商品:ハンドメイド、正規代理でのブランド品、ヴィンテージ商品、体験・アクティビティなど
- 料金:商品が売れたときに発生するプラットフォーム利用料に加えて、ショップ開設保証金が必要になる
まとめ
越境ECでは、自社の商品と相性のよいターゲット市場を定めて、その地域で活発に利用されているマーケットプレイスへの出品から始めるのが現実的です。国ごとに有力なプラットフォームは異なり、出店条件もそれぞれ違います。公式サイトで条件を確かめながら、出店を検討してみてください。
世界のマーケットプレイスに関するよくある質問
オンラインマーケットプレイスとは?
オンラインマーケットプレイスとは、複数の売り手と買い手が取引を行うプラットフォームです。
マーケットプレイスを選ぶ際のポイントは?
- 販売する商品やサービスがどの市場で需要があるのかを見極め、そのエリアを中心に展開しているマーケットプレイスを選定する
- プラットフォーム使用料や販売手数料、決済手数料などの運営コストを事前に試算し、利益率を考慮して比較する
- 自社で配送するのか、またはモール独自の物流サービスを利用するのかなど、配送体制が自社の運営方針に適しているかを確認する
世界のマーケットプレイスは?
- Amazon
- eBay
- Etsy
- Tmall Global
- JD Worldwide
- Shopee
- Lazada
- Coupang
- Allegro
- Pinkoi




