店舗経営において欠かせない設備の一つにレジがあります。近年では、導入のしやすさや操作性の高さ、キャッシュレス決済との相性の良さなどから、タブレットPOS(ポス)レジが注目を集めています。一方で、「自社のPOSレジはタブレット型でも良いのかわからない」「どのタブレットPOSレジを選ぶべきかがわからない」という事業主も少なくありません。
この記事では、タブレットPOSレジとは何かや比較のポイントについて紹介します。おすすめのタブレットPOSレジ一覧のほか、導入するメリットやデメリットについても触れていますので、選ぶ際の参考にしてください。

タブレットPOSレジとは
タブレットPOSレジとは、iPad(アイパッド)やAndroid(アンドロイド)などのタブレット端末にPOSシステムをインストールしてPOSレジの機能を使用できるようにするものです。販売時の代金計算や売上、さらに商品や顧客などの店舗経営に必要となる情報管理機能を、手軽に操作できるタブレット上に一元化できる点が特徴です。
タブレットPOSレジは、モバイルデバイスを活用するPOSレジ「mPOS(エムポス)」の一種です。据置型のレジスター機とは異なり持ち運びも容易で、常設店舗だけでなくポップアップストアやイベントでの出店でも活用しやすいため、店舗のジャンルを問わず幅広く導入されています。
おすすめのタブレットPOSレジ11選
- Shopify POS(ショッピファイポス)
- スマレジ
- Air(エア)レジ
- ユビレジ
- POS+(ポスタス)
- USEN(ユウセン)レジ
- Square(スクエア)POSレジ
- STORES(ストアーズ)
- NEC(エヌイーシー)モバイルPOS
- CASHIER(キャッシャー)クラウドPOSレジ
- ハピレジ
Shopify POS(ショッピファイポス)
Shopify POS(ショッピファイポス)は、Shopifyが提供するPOSシステムで、iPad版とAndroid版があります。タブレット端末にPOSアプリをダウンロードして使用できるタブレットPOSで、互換性のあるクレジット決済用のCAT端末やスキャナーと接続して、店舗での決済受付や在庫管理、販売追跡が可能となります。
オンラインストアと店舗の売上・在庫管理が一括で可能となり、業務の円滑化につながります。さらに、店舗で見た商品をECサイトで購入する、ネット注文した商品を店舗で受け取るといったオプションを提供することもできます。
※2026年5月現在、日本において対面販売でのShopifyペイメント機能や専用ハードウェアは提供されていません。
料金:Shopifyの有料プランを利用している場合は無料、POS Proは月額13,000円
スマレジ
スマレジは、iPadで利用できるタブレットPOSレジを提供しています。基本のレジ機能は無料で使用でき、小規模店舗や初期費用を抑えたい事業者にも適しています。電話やメール、チャットでのサポートがあり、初めてタブレットPOSレジを導入する際にも安心です。
料金:基本のレジ機能は無料、有料プランは1店舗月額5,500円~
Air(エア)レジ
Air(エア)レジは、リクルート社が提供するmPOSです。iPhoneまたはiPad向けのシステムで、基本レジ機能を無料で提供しています。メールやチャットでの無料サポートもあり、費用を抑えてモバイルPOSレジを導入したい事業主に適しています。キャッシュレス決済サービスの「Airペイ」と連携して使用すればPayPay(ペイペイ)などのQRコード決済やスマホ決済にも対応できます。
料金:レジ機能は無料、オプションで周辺機器が購入可能
ユビレジ
iPad専用のユビレジは、レジ機能や売上・顧客管理を提供するタブレットPOSレジです。シンプルかつ直感的に操作ができるアプリを採用しているため、POSレジを初めて導入したい、導入時のスタッフへの負担を軽減したい場合にも適しています。小規模事業者だけでなく、50店舗以上を抱える大型企業にも対応できるプランが用意されており、将来的な事業拡大を目指す事業主にもおすすめです。
料金:月額6,900円~
POS+(ポスタス)
POS+(ポスタス)は、飲食店、小売店、美容サロン、クリニック、公共機関向けに、それぞれ用意された業界特化型の専用機能が特徴のタブレットPOSレジです。iPadを使って会計処理から売上管理、在庫管理が可能なほか、顧客情報管理や勤怠管理、発注管理などのバックオフィス機能も使えます。
カスタマーディスプレイやセルフレジなどにも対応しており、業界特有のニーズに合ったPOSレジを導入できます。
料金:要問合せ
USEN(ユウセン)レジ
USEN(ユウセン)レジは、業界特化型タブレットPOSを提供しています。美容室向けのBEAUTY、小売店向けSTORE、治療院向けHEALTHCAREの3種類が用意されています。タブレットPOSレジだけでなく、セルフ精算機やハンディ型オーダーエントリーシステムなどのハードウェアも用意されています。
遠隔サポートにより、トラブル時は画面をミラーリングして状況を把握してもらえるほか、一部遠隔操作による対応を行っています。遠隔で解決できない場合にはエンジニアが訪問してくれるため、迅速なトラブル解決が見込めます。
料金:要問合せ
Square(スクエア)POSレジ
Square(スクエア)POSレジは、無料で使用できるPOSレジのアプリです。iOSだけでなくAndroidにも対応しているため、普段使用している端末にアプリをダウンロードしてアカウントにログインすることで、すぐに導入ができます。iPhoneのタッチ決済やAndroidのTap to Payを使うことで、スマホからタッチ決済の受付が可能です。かかる費用が決済手数料のみのため、ランニングコストを抑えたい場合に適しています。
料金:POSレジアプリは無料
STORES(ストアーズ)
STORES(ストアーズ)のPOSレジは、iPadまたはiPhoneにアプリをダウンロードして使用できます。STORESのネットショップやSTORES予約と連携させることも可能です。在庫確認や棚卸にも活用できるだけでなく、freee(フリー)会計やマネーフォワードクラウド会計、弥生会計などの会計ソフトとの連携もできるため、業務効率化にも役立てられます。
料金:フリープラン無料、スタンダードは年間契約の場合、月額3,300円
NEC(エヌイーシー)モバイルPOS
NEC(エヌイーシー)モバイルPOSは、サブスク型のタブレットPOSで、多店舗営業を行う飲食店に特化している点が特徴です。IT導入補助金の対象となるモバイルPOSで、補助金を活用したPOSレジ導入を検討している事業者におすすめです。決済サービスだけでなく、モバイルオーダーやセルフオーダー、デリバリー注文管理などさまざまなサービスとも連携可能です。iPadで使用でき、無料トライアル期間も設けられているため、使用感を確かめてから導入を検討できます。
料金:要問合せ
CASHIER(キャッシャー)クラウドPOSレジ
CASHIER(キャッシャー)では、専用のタブレット型POSレジ端末とキャッシュドロアー、レシートプリンターがセットになった製品がラインナップされています。在庫管理やモバイルオーダー、商品登録上限などはオプションとして追加料金を払うことで利用ができ、必要に応じて機器の設置やレクチャー、オンサイト保守などを依頼することも可能です。
料金:初期費用79,800円、月額費用スタータープラン0円またはプロフェッショナルプラン4,400円
ハピレジ
ハピレジは、飲食店向けのタブレットPOSレジです。市販のiOS端末で利用ができ、必要に応じてモバイルオーダーやキッチンディスプレイ、セルフレジなどのオプション機能を追加できます。
最短で3週間程度で使い始めることができるため、迅速にタブレットPOSを導入したい際に
適しています。専用のコールセンターは24時間365日対応で、万が一のトラブルが起こった時にも安心です。
料金:要問合せ
タブレットPOSレジのメリット
- 操作性が良い:タッチパネルで直感的に操作できるUIを採用していることが多く、初めてPOSを利用する人でも簡単に操作できるように工夫がされています。
- 初期費用が抑えられる:既存のタブレット端末やスマートフォンを活用することで、初期費用を大幅に削減できます。
- 省スペース:据置のターミナル型に比べてタブレットPOSは省スペースで、限られたカウンターのスペース内にも設置可能です。
- イベント時にも活用できる:タブレットはネット環境があれば移動先でも利用ができ、ポップアップストアやイベントへの参加時にも活用できます。
- 幅広い決済サービスが利用できる:さまざまなキャッシュレス決済に対応した製品が多く、顧客の利用したい決済サービスを使った支払いが可能です。
- ECサイトと同期できる:ECサイトと店舗の両方を運営している場合に、在庫数や売上をECサイトと同期できる一括管理も提供されています。
- 顧客情報を一元管理できる:ECサイトと店舗の両方の利用履歴や購入商品、購入金額を把握できる、顧客情報の一元管理機能が提供されています。
- 多店舗運営の場合は店舗外からも情報が確認できる:レジ用端末以外からもアクセスできる製品では、店舗にいない場合でも移動中や本部から各店舗の最新情報を確認できます。
- 他のアプリやソフトと連携できる:決済アプリや会計ソフトなど、既に使用しているアプリやソフトと連携することで業務効率化が図れます。
- 必要に応じて機能を追加・削除できる:事業の拡大や縮小、方向転換に合わせて機能を追加したり削除したりすることができる場合があります。
- 導入までの期間が短い:アプリをダウンロードするだけですぐに使用できるものもあるなど、ターミナル型に比べると導入までの期間が短いという特徴があります。
タブレットPOSレジのデメリット
- 安定した通信環境が必要である:インターネット接続の不具合やトラブルが起こるとPOSレジの機能が使えなくなるリスクがあります。
- 周辺機器を揃える必要がある:レシートプリンターやカードリーダー、キャッシュドロアー、バーコードスキャナー、カスタマーディスプレイなど周辺機器を揃える必要があり、これらの費用や対応していいるかどうかも考慮しなければなりません。
- アプリやOSのアップデートによる動作不具合が発生する可能性がある:OSのアップデートに伴いアプリの動作が遅くなったり、正常に機能しなくなったりすることがあります。またアプリやOSのアップデートを行ったことで周辺機器との接続や連携が正しく行われなくなることもあります。
- セキュリティリスクがある:常にネット環境が必要となる分、不正アクセスや通信内容の盗み見などのリスクがあります。
- ターミナル型に比べて耐久性が低い:タブレット端末は、専用機として設計されているターミナル型POSに比べて耐久性が低く、短いスパンで端末本体の買い替えを検討する必要があります。

タブレットPOSレジの選び方
- タブレットPOSレジの導入目的を明確にする
- 必要な機能と追加する可能性のある機能をリストアップする
- 連携可能なアプリやシステムを確認する
- 自社の事業形態や業種に合っているかを確認する
- 操作性の良さや社員教育の必要性を検討する
- 初期費用とランニングコスト、オプション料金を確認する
- サポート体制を確認する
タブレットPOSレジの導入目的を明確にする
まず、タブレットPOSレジを導入する目的を明確化します。売上管理やレジ対応などの会計業務を中心に使用したいのか、在庫管理や顧客情報管理に活用したいかを明らかにすることで、POSレジを比較しやすくなるでしょう。多機能性をアピールポイントにしたタブレットPOSもあれば、シンプル機能だからこそさまざまなデバイスに対応するものもあります。自社の目的に合ったものを選ぶことで、当初の目的から外れることなく、必要なPOSレジの導入が可能となります。
必要な機能と追加する可能性のある機能をリストアップする
目的に合わせて必要な機能をリストアップします。すぐに利用したい機能だけでなく、将来的な事業拡大や追加する可能性のある事業内容、それに伴う必要機能についても考える必要があります。事業拡大時に新たなタブレットPOSレジに乗り換える手間やリスク、教育コストをあらかじめ想定しておき、長期的に使えるPOSレジを導入することでスイッチングコストを避けられます。
また、機能をリストアップする際には、優先順位も意識しましょう。必須機能と、あったら便利な機能を明確に分けることで、タブレットPOSレジを選ぶ際の目安の一つとなります。
連携可能なアプリやシステムを確認する
連携が可能なアプリやシステムを確認します。現在使用しているアプリや会計ソフト、予約システム、顧客管理システム(CRM)などと連携することで業務効率化を狙う場合には、連携が可能かどうかがタブレットPOSレジを決定する際の重要な事項の一つとなります。どのようなアプリやシステムと連携ができるのかは、あらかじめ調べておきましょう。
自社の事業形態や業種に合っているかを確認する
タブレットPOSには、業界特化型や小規模事業者向け、多店舗運営事業者向けなどさまざまなタイプがあります。特に業界特化型のPOSは、その分野で活用できる便利な機能が付随していることが多く、さらなる効率化やコスト削減が目指せる可能性があります。
操作性の良さや社員教育の必要性を検討する
タブレットPOSは操作性の良さが重要となります。社員教育を必要とせず、すぐに運用ができるタイプの場合は、スタッフへの負担も少ないでしょう。多機能タイプは利便性に優れている半面、使いこなすためには社員教育が必要となるケースもあるため、実際に運用できるまでに必要となる時間も知っておくことが重要です。社員向けのトレーニングを行っているタブレットPOSサービスもあるため、必要かどうかを判断し、かかる費用や期間の確認も行います。
初期費用とランニングコスト、オプション料金を確認する
タブレットPOSレジは、既存のタブレット端末を使えば初期費用を抑えられる反面、付随するハードウェアが必要になるケースがほとんどです。運用開始に必要となるハードウェアをリストアップし初期費用を見積もるだけでなく、月々かかるランニングコストも確認しましょう。さらに、希望するオプションの料金も忘れずに経費にいれることも重要です。特に、利用する店舗数や利用人数により費用が変わるケースや、決済ごとにかかる決済手数料等も忘れずに確認しましょう。
サポート体制を確認する
安定してタブレット端末を運用していくためには、安心できるサポート体制が整っているかも確認します。POSレジのトラブルは売上金にも影響を与えることから、トラブルが起こった時には迅速に対応してもらえるのか、追加で費用がかかるのかといった点も事前に調べたり問い合わせたりしておきます。

タブレットPOSレジが人気の業種
飲食業
飲食業は、タブレットPOSレジが最も活用される業種の一つです。基本のレジ機能だけでなく、ハンディ端末からのオーダーや、顧客が自分のスマホを使って直接注文をするモバイルオーダー、オーダー情報がキッチンに表示されるキッチンディスプレイ、セルフレジなどさまざまな機能と組み合わせて活用されます。
提供するメニューに合わせてカスタマイズし、自社のブランディングに合わせた顧客用の操作画面やキッチン業務のサポート機能などを組み込む場合もあります。スタッフの負担軽減や業務効率化だけでなく、飲食店を訪れる顧客の利便性にも配慮していることから、今後も飲食業におけるタブレットPOSレジ人気は高まることが予想されます。
小売業
多くの商品を抱える小売業では、在庫管理や売上管理、商品の発送状況などをタブレットPOSレジから確認できるため、業務円滑化のために導入する事業主が増えています。必要に応じてバーコードスキャナやプリンターなどと接続して使用できるほか、ECサイトと連携してオンラインショップと店舗のデータを一元管理することも可能です。POSによっては顧客管理からメールマーケティングまで行えるものもあります。
サービス業
タブレットPOSレジは、美容サロンやクリニックなどのサービス業において、予約管理から顧客カルテ管理、会計業務、顧客管理までを一括で行える便利なツールとして人気を集めています。来客履歴や施術履歴、特筆事項等を一か所で管理できるため、一貫したサービスを提供することができるだけでなく、パーソナライズドマーケティングを行って顧客満足度向上を目指せます。
まとめ
タブレットPOSレジは近年、店舗経営に広く活用されている設備の一つとなっています。iPadやAndroidなどのタブレット端末にPOSシステム用のアプリをインストールすることで、POSレジの機能が使えるようになります。
タブレットPOSレジには、飲食店や美容関連事業、クリニックなど業界特化型のサービスを提供しているものから、小規模事業者向け、大規模事業者向けなどさまざまなタイプのものがあります。レジ機能だけであれば無料で活用できるものもあるため、初めてタブレットPOSレジを導入する事業主も安心して始めることができます。また、タブレットPOSレジだけでなく、セルフ精算機やハンディ型のオーダーエントリーシステム、モバイルオーダー、キッチンディスプレイなどさまざまな機能をオプションで追加できるサービスも増えています。24時間365日対応してくれるサポートを行っている場合もあります。
タブレットPOSレジを選ぶ際には、まず目的を明確化することが重要です。必要な機能や今後必要となる機能をリストアップしたり、連携可能なアプリを確認したりして、導入後も長く利用することを念頭に入れながら情報を集めましょう。社員教育の必要性や、初期費用やランニングコスト、オプション費用などの総コストを把握して、事業内容や事業規模に合ったタブレットPOSレジを選びましょう。
タブレットPOSレジに関するよくある質問
タブレットPOSレジの費用相場は?
タブレットPOSレジの費用相場は、初期費用で20~30万円程度、月額費用は5千~2万円程度が一般的です。
タブレットPOSレジの選び方は?
- タブレットPOSレジを導入する目的を明確にする
- 必要な機能と追加する可能性のある機能をリストアップする
- 連携可能なアプリやシステムを確認する
- 自社の事業形態や業種に合っているかを確認する
- 操作性の良さや社員教育の必要性を検討する
- 初期費用とランニングコスト、オプション料金を確認する
- サポート体制を確認する
タブレットPOSレジの市場規模は?
Business Research Insightsによると、世界のタブレットPOSシステムの市場規模は2026年には18億6000万米ドルに達すると推定され、今後も市場を拡大すると予想されています。
タブレットPOSレジ導入に活用できる補助金・助成金は?
このほか、県や市、区などの各自治体が行っている補助金もあるため、事業を行っている地域の行政機関サイトを確認したり、商工会議所に問い合わせたりしてどのような補助金や助成金があるかを調べましょう。
文:Masumi Murakami




