アクセス数の減少や直帰率の上昇、購入手続きでの離脱が発生するとWebサイトの評価は下がっていきますが、売り上げが減少するまでこれらの問題に気づかないことがあります。そういった問題を早期に発見するためには、自社サイトを競合他社や業界標準と比較するベンチマークという手法が効果的です。
ベンチマークを行う際に参考となる指標の例として、Google(グーグル)のCore Web Vitals(コアウェブバイタル)が挙げられます。これはGoogleが検索順位を決定する際に重視しているサイトパフォーマンス指標で、多くのサイトがこれに対して最適化し続けているため、基準は年々高くなっています。そのため他社よりも優位に立つためには、定期的なベンチマークで自社の立ち位置を把握しておくことが欠かせません。
この記事では、こうしたベンチマークの実行方法を順序だてて説明するとともに、2026年に重視すべき指標を紹介します。また、サイトパフォーマンスを比較するためのベンチマークツールや、その分析結果を改善プランに活かす方法も解説します。

Webサイトベンチマークとは
Webサイトベンチマークとは、自社サイトの機能性やパフォーマンスを評価するために、特定の基準や競合のWebサイトと比較する手法です。基準や目標とする数値がベンチマークと呼ばれ、その計測・比較・分析を通じて改善に取り組むプロセスをベンチマーキングといいます。
ベンチマーキングの目的は、自社サイトのパフォーマンスが競合他社と比べてどの程度良好かを評価することです。ベンチマーキングは、サイトのパフォーマンス、ユーザー体験の質、セキュリティ、検索エンジン最適化(SEO)、モバイル対応、アクセシビリティなどさまざまな領域に利用できます。
また、KPIの設定やデータに基づいた意思決定、顧客満足度向上に役立つ指標となります。

ベンチマーキングの方法:6つのステップ
- 比較するページを決定する
- ベンチマークする企業と基準データを決める
- 指標を決める(パフォーマンス、UX、コンバージョン)
- デバイスやロケーションごとにテストを実施する
- 基準値を記録し、目標基準を設定する
- 定期的な繰り返しと数値悪化のアラームを設定する
1. 比較するページを決定する
比較するページは、トップページとトップページ、PDP(商品説明ページ)とPDPのように同種類のページを選びます。また、パフォーマンスの違いが売り上げに影響しやすいトラフィック量の多いページから始めましょう。
2. ベンチマークする企業と基準データを決める
自社の業種や業界と関連性の高い競合他社を3~5社選びます。自社の顧客が、自社商品と見比べながら購入を検討するようなブランドを選びましょう。
公開されている基準値も利用します。Chrome(クローム)ユーザーエクスペリエンスレポート(CrUX)では、何百万ものサイトにおける実際のユーザーパフォーマンスデータが提供されています。また、HTTP Archive reports(HTTPアーカイブレポート、英語サイト)では、インターネット全体から幅広く指標となる数値を集計しており、標準的な「ウェブの現状」を知るための情報が提供されています。こういったデータを利用して、自社のパフォーマンスが平均より上回っているのか、下回っているのかを判断できます。CrUXもHTTP Archive reportsも無料で定期的に更新されています。
3. 指標を決める(技術パフォーマンス、UX、コンバージョン)
ベンチマークする指標は、以下の3つのカテゴリーを網羅するように選びましょう。
- 技術パフォーマンス:Core Web Vitals、ページ容量、サーバー応答時間
- ユーザー体験(UX):直帰率、滞在時間
- ビジネスの成果:コンバージョン率、平均注文額(AOV)、1回の訪問当たりの売上高、その他自社のビジネスに重要な指標
複数のカテゴリーでベンチマークを行うことで、より正確に課題や改善点を見つけることができます。たとえばサイト表示が速くても、ユーザー体験の質が低ければ顧客は離れてしまいます。サイトへの集客ができていても、コンバージョンが低ければ購入プロセスの見直しが必要です。
4. デバイスやロケーションごとにテストを実施する
ベンチマークテストはモバイルとデスクトップの両方で行いましょう。eコマース市場ではトラフィックの大部分をモバイルが占めていますが、デバイスによってパフォーマンスは大きく変わる点にも注意が必要です。
また、複数のロケーションからもテストすることをおすすめします。特にグローバル市場を扱っている場合は必ず行ってください。ページの読み込み時間は、ユーザーからCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)拠点までの距離やローカルネットワークの状況によって異なります。
5. 基準値を記録し、目標基準を設定する
各指標で現状の数値を記録してからサイトの変更を行いましょう。変更前の状態を明確に把握し、どの程度効果があったか計測するためです。目標基準は、Core Web Vitalsなどを参考に、 競合他社のパフォーマンスと業界のベンチマークを組み合わせて設定します。
6. 定期的に測定を繰り返し、数値悪化のアラートを設定する
ベンチマーキングは、継続的に行う施策です。月ごとや四半期ごとなど、自社サイトやコンテンツが変更される頻度に応じてベンチマークを実施しましょう。また、重要な指標の低下については自動的に検知・通知する機能も設定することをおすすめします。

ベンチマーキングのベストプラクティス
ビジネスの目標を常に意識する
ベンチマーク指標は、ビジネスの目標に沿ったものを設定しましょう。たとえば、売り上げアップが重要な目標であれば、コンバージョン率のベンチマークを高めに設定します。あるいはブランド認知度の向上を重視する場合は、サイトへの流入数や滞在時間を増やすことが重要となります。
競合他社と比較してベンチマークを設定する
競合他社と比較しながらベンチマーキングすることで、自社サイトのウェブサイトパフォーマンスを的確に評価することができます。業界やビジネスモデルの異なるサイトをベンチマークしても効果は薄いので、自社と直接競合するサイトとの比較が重要です。競合分析を行うことで、ベストプラクティスを特定し、サイト改善に役立てることができます。
複数の指標から分析する
Webサイトのパフォーマンスを包括的に分析するには、複数の指標を設定する必要があります。これにより、これまで見逃していたパターンや相関性、分野を発見することも可能になります。
たとえば、直帰率、ページ滞在時間、クリック率などのエンゲージメント指標は、訪問者がコンテンツとどのように関わっているかを把握する上で重要ですが、コンバージョン率のように、Webサイトが効果的に収益をあげられているかを把握するための指標も重要です。
ベンチマークの比較条件を同一にする
ベンチマークデータを比較するには、条件を同一にすることが重要です。以下のような差異がある場合、正確に比較することができなくなります。
- 取扱商品量の違い:SKUが500のサイトと、SKUが5万のサイトでは、ページ容量や表示パフォーマンス特性は大きく異なります。コンテンツの複雑さをできるだけ平準化させましょう。
- トラフィックやインフラの不釣り合い:トラフィック量が自社の10倍もあるブランドは、それだけ規模の大きなインフラに投資している可能性があります。自社でも参考にできる指標に焦点を当てましょう。
- 流入経路(チャネル)の構成の違い:競合他社が有料広告を利用している場合、オーガニックトラフィックでの直帰率と比較するのは不適切となります。まずチャネルごとに区分しましょう。
- 一時的な状況 VS トレンド:ネットワークの条件、サーバー対応、キャッシュはすべて変化します。1回の指標に反応するのではなく、常に長期のトレンド変化に注目する必要があります。

Shopifyで実施したベンチマーキング
ECプラットフォームのShopify(ショッピファイ)でも、競合とのベンチマーキングを実施しています。Google Core Web Vitalsに基づく指標で計測を行ったところ、Shopifyストアのサイトスピードは他のプラットフォームのストアよりも1.8倍速いという結果が出ました。また、Shopifyを利用するブランドの93%のストアが高速な表示を実現しており、これは他の主要なECプラットフォームを上回る数値です。当社のサーバー速度もコマース業界で最も速く、平均で2.8倍の速さを記録しました。
- Salesforce Commerce Cloud(セールスフォースコマースクラウド)
- Shopifyストアの方が平均で1.5倍高速
- 高速表示基準を達成したストアの割合は65%
- サーバー速度はShopifyの方が2.2倍高速
- Adobe Commerce (アドビコマース、旧Magento)
- Shopifyストアの方が平均で2倍高速
- 高速表示基準を達成したストアの割合は53%
- サーバー速度はShopifyの方が3.4倍高速
- WooCommerce(ウーコマース)
- Shopifyストアの方が平均で2.4倍高速
- 高速表示基準を達成したストアの割合は34%
- サーバー速度はShopifyの方が3.9倍高速
- 独自構築ストア
- Shopifyストアの方が平均で1.7倍高速
- サーバー速度はShopifyの方が2.4倍速い
Shopifyのサイトスピード測定ツールを利用して、ストアページのパフォーマンスを計測してみましょう。また競合他社と比べた自社のパフォーマンスを確認してみましょう。

2026年に重視されるWebサイトベンチマーク指標
Core Web Vitalsベンチマーク
Core Web Vitalsは、Googleが標準化したユーザー体験の指標です。読み込み速度や、インタラクティブ性、視覚的安定性の側面から、ユーザー体験の質を測ります。2026年時点での3つの指標と、その良好な基準について説明します。
- LCP(Largest Contentful Paint):読み込み速度を測る指標。画面上で最も大きく見える要素(多くの場合ヒーローイメージや見出しセクション)が表示されるまでの時間を計測します。基準は2.5秒以内です。
- INP(Interaction to Next Paint ):ブラウザの応答性を測る指標。最初の応答だけでなくセッション全体にわたるすべてのユーザー操作に対する遅延時間を測定します。基準は200ミリ秒未満です。
- CLS(Cumulative Layout Shift):視覚的な安定性を示す指標。ページの読み込み中に起こるコンテンツのズレを数値化したものです。こういったズレはユーザーにストレスを感じさせ、まちがった場所をクリックさせる可能性があります。基準は0.1未満です。
自社サイトの訪問者の少なくとも75%が、これらの基準値以上でサイトパフォーマンスを経験するべきとされています。上記の基準は、検索ランキングに直接影響します。PageSpeed InsightsやCrUXダッシュボード(下記ツールセクションを参照)を利用して、自社ページを上記の基準や競合他社と比較・分析しましょう。
サイトスピード
- 読み込み時間:ユーザーのブラウザでページ全体が読み込まれる時間
- サーバー応答時間:WebサーバーがHTTPリエストに反応するまでにかかる時間
- FCP(First Contentful Paint、ファーストコンテントフルペイント):テキスト、画像、描画領域などのDOM(Document Object Model、ドキュメントオブジェクトモデル)のコンテンツがページの読み込み開始からブラウザ上でユーザーに最初に表示されるまでの時間
Shopifyの調査では、サイトスピードが0.5秒向上するだけでも、コンバージョンが上がることがわかっています。サイトスピード改善が実現すれば、コンバージョン率が上がり、直帰率は下がります。
自社のベンチマーク計測でスピードが遅いと判明した場合は、ページごとのトラフィック量に基づいて改善の優先順をつけ、更新後は再計測を行ってサイト高速化を目指しましょう。
ページサイズとリクエスト数
トータルページサイズ(ブラウザが読み込むすべてのファイルのサイズ)とHTTPリクエスト数(各ファイルが何回読み込まれたか)のベンチマークも有益です。120回のリクエストで8MBのデータを読み込むページと、40回のリクエストで2MBのデータを読み込むページとでは、たとえ同じサーバーインフラでも大きく異なる動作になります。
ページサイズを減らすには、不必要なJavaScriptを減らし、リクエストをまとめましょう。画像最適化も大きな効果を発揮します。
サーバー応答時間(TTFB)
Time to First Byte(TTFB)は、ブラウザがサーバーにサイトをリクエストした後、最初の応答を待つ時間の指標です。サーバー処理時間とバックエンドの効率性を確認できます。
TTFBが800ミリ秒を超える場合は、サーバーの設定が最適化されていない可能性があります。原因としては、データベースクエリの遅延や、サーバーに処理しきれない負荷などが考えられます。フロントエンドを最適化しても解決できないインフラの問題かもしれません。競合他社のTTFBをベンチマークするには、正確に比較するために同じロケーションからテストします。
機能性
自社サイトの特徴や機能を他社サイトと比較し評価しましょう。以下に、計測するべきベンチマーク指標を紹介します。
- エラー率:404エラー(ページが見つかりません)などのエラーが発生する頻度
- モバイル対応:異なる環境や画面サイズ、モバイル端末を含む各種デバイスに対するWebサイトの対応力
- アクセシビリティ:視覚障害者などのユーザーがサイトを利用できるようにWCAG(Web Content Accessibility Guidelines、Webコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン)で定められた基準
エラー率は毎週確認し、ユーザー体験に影響が出る前に問題を見つけることが重要です。
ユーザー行動
- 直帰率:1ページだけでサイトから離脱する訪問者の割合。特定のページで直帰率が高い場合、そのページが正常に動作しているか、または読み込み速度は十分かを確認し、改善を検討します。
- ユニーク訪問者数:特定の期間(例:30日)に訪れたユーザー数。1人のユーザーが月に何回訪問しても、その期間中に1人とカウントします。
- 訪問当たりのページビュー数:Webサイトに1回訪れる間にユーザーが閲覧するページ数。平均ページビュー数が多いほど、ユーザーの関心とエンゲージメントが高いことを示します。
これらの指標を月ごとに測りましょう。特定のページで直帰率が突然上昇していたら、技術的な問題、またはコンテンツのミスマッチなどの兆候である可能性があります。
コンバージョン
- クリックスルー率:特定のリンクやCTA(行動喚起)をクリックするユーザーの割合。潜在顧客をサイトに誘導する際のメール施策やSNSマーケティングのキャンペーンの成果を計測するために多く使われます。
- コンバージョン率:商品購入、ニュースレターの定期購読など、目的とする行動を起こしたWebサイト訪問者の割合。コンバージョン率の最適化(CRO)施策により、コンバージョンに至る訪問者の人数を増やすことができます。
- コンバージョン単価:マーケティング活動を通じて、目的やコンバージョンの達成にかかった1件あたりの平均コスト。
たとえばコンバージョン率が競合他社よりも低い場合、購入手続きのユーザー体験に大きな影響が出ている可能性があります。
UX
- タスク成功率:商品を見つける、購入手続きを完了するなど、特定の目標を達成できたユーザーの割合。ユーザビリティテストやユーザー行動のセッションリプレイ分析を通して測ります。
- 顧客満足度スコア(CSAT):顧客満足度やネットプロモータースコア(NPS)など、ユーザーへのアンケート調査を定量化した指標。競合他社と比較する場合は、公開データを入手できる必要があります。
- ヒートマップとクリックトラッキング:ユーザーがクリックやスクロール、躊躇した場所を画像で可視化したもの。数値指標だけでは明らかにならないユーザーのつまずきポイントを特定するのに役立ちます。
UXに関わる指標は、技術的な指標とちがって数値で比較しにくいため、自社のスコア推移を長期的に調査していくことが重要です。また、ユーザーとして競合サイトを利用・検証し、課題を特定することもおすすめします。
効果的なWebサイトベンチマークツール
- Google Analytics
- dotcom-monitor(ドッコム-モニター)
- new relic(ニューレリック)
- WebPageTest(ウェブページテスト)
- PageSpeedとInsights for field:実ユーザーデータによるベンチマーク
Google Analytics(グーグルアナリティクス)
Google Analyticsは、ベンチマーキングに活用できるさまざまなデータに対応したウェブ解析ツールです。ユーザーのエンゲージメントからトラフィックの出所やコンバージョン率まで、さまざまなパフォーマンス指標を計測して比較することが可能です。
Google Analytics4では、業種や規模によって分類された企業の匿名化データと、自社サイトのパフォーマンスを比較できるベンチマークレポートが提供されます。自社のトラフィック、エンゲージメント、コンバージョン率といった指標が、同業他社の中央値より上回っているか、下回っているかを確認できます。また、データは毎日更新されているため、最新の状態で比較できます。なおベンチマークデータを表示するには、Googleアカウントの「モデリングのためのデータ提供とビジネス分析情報」の設定を有効にする必要があります。
dotcom-monitor(ドッコム - モニター)

docom-monitorは、ベンチマーキングに活用可能な機能を備えたWebサイト監視ツールです。世界各国の拠点からサイトスピードなどを計測できるパフォーマンスモニタリングや、実際のユーザー行動をシミューレーションする合成モニタリングなどを提供します。さまざまなブラウザやデバイス、ロケーションからのアクセスを想定したテストを自動で行うことができ、パフォーマンスの問題をユーザー体験に影響が出る前に検出可能とします。
new relic (ニューレリック)

new relicは、ECサイトやモバイルアプリ、実店舗などの多彩な顧客接点を活用する、オムニチャネル戦略をとる小売業者に適したモニタリングツールです。購入処理やフルフィルメントなどのポイントで起こる技術的な問題を、収益性への影響と関連付けて可視化することができます。また、ユーザーが不満を抱く前に問題を発見できるよう、AIによる異常検出機能なども備えています。
WebPageTest(ウェブページ テスト)

WebPageTest (英語サイト)は、オープンソースのプラットフォームで、サイトスピードや機能性をテストできます。また、ページの表示速度やコンテンツ内訳のような重要指標を提供します。アメリカ、ヨーロッパ、アジアの異なるロケーションからテストすることが可能です。
CrUXとPageSpeed Insights:実ユーザーデータによるベンチマーク
Chromeユーザーエクスペリエンスレポート(CrUX)は、Chromeブラウザから集めた実際のユーザー環境におけるパフォーマンスの公式データセットです。Core Web Vitalsスコア(LCP、INP、CLS)を中心に、何百万ものサイトを対象とした指標データがレポートにまとめられており、デバイスタイプや接続により分けられています。
PageSpeed Insights(ページスピードインサイト、英語サイト)は、CrUXのデータとLighthouse(ライトハウス)の監査を併用し、公開URLのスコアを提供しています。競合他社のURLを入力すれば、実ユーザーのCore Web Vitalsのデータを取得でき、最適化のためのアドバイスも得られます。CrUXは、客観的で実測データに基づいたWebパフォーマンスのベンチマークとして最も精度が高い指標です。
合成モニタリングツールによる反復テスト
合成モニタリングツールを利用することで、自社サイトや競合サイトに訪問するユーザーの行動を定期的にシミュレーションすることができます。デバイスやロケーション、ネットワークプロファイルをあらかじめ設定しておくことで、常に同一条件での計測が可能です。
上記にあるdotcom-monitorやnew relicのようなツールは、合成モニタリングテストの自動化をサポートしています。自社と競合他社の主要ページを定期的にテストする設定をしておき、データの推移から自社と他社のパフォーマンスの差が広がっているか、狭まっているかを確認できます。
また、合成モニタリングテストはCrUXなどの実ユーザーのデータと合わせることでより効果的なものとなります。シミュレーション環境は、実際のユーザー環境を完全には再現できませんが、コントロールされた正確な比較ができ、進捗を把握するのに有益です。

Webサイトベンチマークを改善に活かすためのポイント
ベンチマークのデータは、Webサイトの改善に活用するために計測するものです。実施する際の注意点を説明します。
- 売り上げに影響する領域から対策を始める:最もアクセスが多いPDPでLCPが2秒だとしたら、遅いFAQページの改善よりも優先して改善します。
- 労力ごとに改善施策を分ける:画像の圧縮やスクリプトの遅延実行などの改善は、大きな手間はかからずとも高い効果が得られます。一方、サーバー移行やフロントエンドの再構築などの改善には、綿密な計画や予算が必要になります。まずはすぐに効果が出る改善から取り組みつつ、大がかりな改善計画を策定していきましょう。
- 再テストを実施する:改善策の実行後は、必ずベンチマークを再測定して効果を検証します。これにより、変更で起こった不具合などを早期に発見することができます。
- パフォーマンスと成果を関連付ける:スピード改善がコンバージョン率の上昇にどのように関連しているか、検証しましょう。改善のプロセスを回せるようになり、サイトパフォーマンスに継続的な投資が必要かどうかを確認することができます。
まとめ
Webサイトのベンチマークは、自社サイトの市場での立ち位置を客観的に評価し、競合と差別化していくために欠かせません。またベンチマーキングを行うことで、サイトスピードの遅延や購入手続きでの障害など、問題が発生する前に特定し、解決策を講じることができるようになります。Googleアナリティクスなどの効果的なベンチマークツールを活用して、競争力の高いEC体験を提供していきましょう。
Webサイトベンチマークに関するよくある質問
Webサイトベンチマークの目的は?
Webサイトのベンチマークを行う目的は、自社サイトのパフォーマンスで競争優位性を得るためには何が必要かを深く理解し、具体的に分析することです。
競合や業界水準をどのように特定しますか?
Core Web VitalsやGoogle Analyticsなどのベンチマークツールを使い、サイト速度やコンバージョン率などを比較して自社を超えている競合他社を特定します。競合比較を通じて、どの程度のサイト速度が標準か、どのUXがユーザーに求められているかなどの業界水準が見えてきます。
どのベンチマーク(指標)を重視すべき?
重視するべき指標を選ぶには、ビジネス目標を基に考慮します。継続的に追跡すべき主要な指標として、サイトスピード、機能性、ユーザー行動、コンバージョン率などがあります。
自社サイトに必要な指標の数はどのくらいか?
自社サイトに必要な指標の数は、自社のビジネス目標、サイトの複雑さ、ビジネスの性質によってさまざまです。決まった数はないものの、意味のあるデータを十分に集めることと情報過多にならないことのバランスが重要です。
中小企業でもベンチマーキングを行う意味はありますか?
リソースが限られている中小企業こそ、ベンチマーキングを行う意味があります。小さな改善が大きな効果を生み出すために、ベンチマーキングは欠かせない判断材料になります。
文:Harumi Miyabayashi




