Shopify(ショッピファイ)のレポート・ストア分析機能を活用することで、売り上げや集客などのECサイトのKPIを一元的に把握できます。これらの分析結果は、CRO(コンバージョン率最適化)をはじめとしたECサイト改善に活かせます。本記事を参考に、データを活用したストア運営に取り組んでみてください。

Shopifyのストア分析(レポート)とは
Shopifyのストア分析とは、オンラインストア上での販売や顧客に関するデータを可視化し、高度な分析もできるShopifyストアの標準搭載ツールです。
Shopifyのストアレポートでは、以下のようなデータが確認できます。
- ダッシュボード:販売や注文などの主要な指標をカード形式で表示。
- レポート:財務・売り上げ・集客など様々な指標について、詳細なデータを表やグラフで表示。
- ライブビュー:サイト上でのユーザー行動やアクセスしている地域などをリアルタイムで表示。

Shopifyのストア分析とレポートの見方
Shopifyのストア分析とレポートは、管理画面にログイン後、左側メニューの「ストア分析」から確認できます。

なお、Shopifyのプランによって利用できるレポートの種類は異なります。たとえば、Basic(ベーシック)以上のプランではカスタムレポートを利用できますが、Starter(スターター)とLite(ライト)のプランはカスタムレポートに対応していません。
Shopifyのレポートの種類

1. 財務レポート
財務レポートでは、ストアの売り上げや税額などの財務情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 財務サマリー:指定した期間内の売り上げ、決済状況、粗利益などをカード形式で表示
- 販売合計の内訳:総売上高や税額など、会計に必要な主要な指標の一覧
- 決済:Shop Pay(ショップペイ)を含む各種支払い方法や、決済ゲートウェイ別、期間別の取引状況
- ストアクレジット:ストアクレジットの取引履歴や残高状況
- ギフトカード:チャネル別・期間別の、ギフトカードの売り上げや未利用残高
2. 不正注文レポート
不正注文レポートでは、不正注文に関する情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 受領率(承認率):不正の疑いが低いと判断された注文の割合
- チャージバック率:決済の取消が起きた注文の割合
- チャージバック率(不正注文):不正注文を理由に決済の取消が起きた割合や合計金額
- リスクの高い注文率:不正注文の疑いが高いと判断された注文の割合
- 不正注文が理由でキャンセルされた注文:不正注文としてキャンセルされた注文の合計額
- Shopify Protectの注文合計額・異議申し立て合計額:Shopify Protect(ショッピファイプロテクト)によるチャージバック対策が行われた注文や、その対象となる注文の数と合計金額
なお、不正注文に関するレポートの一部は、特定の機能を有効にしている場合のみ表示されます。たとえば、チャージバックに関するデータは、Shopifyペイメントを利用しているストアのみ閲覧できます。
3. 注文レポート
注文レポートでは、注文数や配送、返品に関する情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 商品別の注文と返品:指定した期間内に注文された商品の総数や、返品された商品の総数、返品率
- 時間の経過による注文数:指定した期間内に受け付けた注文数や、各注文に含まれる商品点数、平均注文額、返品された個々の商品の数量
- 発送および配達のパフォーマンス:注文から配達までにかかったフルフィルメント全体の時間など
- 時間の経過による発送済みの注文:特定期間内に発送、配送、配達した注文の総数など
- 配送ラベル:配送ラベルの数や費用など
- 一緒に購入されたアイテム:一緒に購入された商品の組み合わせ
4. 集客レポート
集客レポートでは、ウェブサイトを訪れたユーザーやアクセス状況に関する情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 時間の経過によるセッション数:指定した期間内にウェブサイトを訪れたユーザー数や、発生したセッション数
- 参照元によるセッション:ユーザーのアクセス経路(直接アクセス、検索経由、外部サイト経由など)
-
ロケーションによるセッション:ユーザーがどの国や地域からウェブサイトにアクセスしているのか
なお、訪問者数やセッション数はCookie(クッキー)を基に計測されています。同じ訪問者が複数回アクセスすることもあるため、セッション数は訪問者数より多くなる傾向があります。セッションは、ページ閲覧やクリックなどの操作がなくなってから30分後、またはUTC(協定世界時)の0時に終了します。
5. 在庫レポート
在庫レポートでは、ストアの在庫状況や販売ペースを確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 月末の在庫スナップショット:各月の月末時点で在庫がある各商品バリエーション(SKU)の数量
- 商品別の1日あたり販売在庫:1日あたりに販売された商品バリエーションごとの販売数量や平均販売数
- 商品のABC分析:過去28日間の収益構成比を基に、収益の80%を占めるAクラス、15%のBクラス、5%のCクラスに商品を分類したデータ
- 販売率別商品:指定した期間内に用意していた在庫のうち、どれくらいの割合が売れたか
- 商品ごとの在庫残数:過去の販売実績を基に、今ある在庫が、現在の販売ペースだとあと何日もつか
6. 行動レポート
行動レポートでは、訪問者がオンラインストア上でどのような行動を取ったのかを確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 時間の経過によるコンバージョン率:指定した期間内に、商品を購入したユーザーの割合
- ウェブパフォーマンス:オンラインストアの表示速度や操作性が、ユーザー体験やコンバージョンにどの程度影響しているか
- 時間の経過に伴うおすすめ商品のコンバージョン:商品ページに表示しているおすすめ商品(関連商品)が、表示された後にどれくらい購入につながったか
- 検索クエリによる検索:オンラインストア内の検索窓で、ユーザーが実際に入力したキーワード
- ランディングページ別のセッション:ユーザーが最初にアクセスしたページごとのセッション状況
- デバイス別セッション:ユーザーがサイトへアクセスする際に使用したデバイスの種類
7. マーケティングレポート
マーケティングレポートでは、実施しているマーケティング施策が、売り上げやアクセス数にどのような影響を与えているかを確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- マーケティングに起因する売上:広告やキャンペーンなど、追跡可能なマーケティング施策が直接きっかけとなって発生した売り上げ
- マーケティングキャンペーンに起因するセッション:広告やキャンペーンなどのマーケティング施策がきっかけとなって発生したオンラインストアへの訪問数
マーケティングレポートのデータは、反映されるまでに時間がかかる場合があります。最新のデータは、ページを更新することで確認できます。
8. 売上レポート
売上レポート(販売レポート)では、月別・日別の販売数推移や、商品別・チャネル別の注文などを確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 販売合計:指定した期間や商品、販売チャネルなど、さまざまな指標ごとに集計した注文数と販売額の合計
- 販売チャネル別売上:販売チャネルごとに集計された売り上げ
- 顧客名別売上:顧客別の注文の内訳
- 時間の経過による平均注文額:日・週・月などの期間単位で見た平均注文額の推移
- バンドル:複数の商品をバンドル(セット)販売した場合の販売実績や商品構成
-
定期購入:サブスクリプションとして販売している商品の契約状況や売り上げの推移
販売レポートのデータは、反映されるまでに時間がかかる場合があります。ページを更新することで、最新のデータを確認できます。
9. POS売上レポート
POS売上レポート(小売販売レポート)では、POSシステムを使って行った販売に関する情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 商品別のPOS販売合計:配送料を除いた、商品ごとのPOS販売額
- 商品バリエーション別のPOS販売合計:商品バリエーションごとのPOS販売額
- 販売元別のPOS販売合計:メーカー・仕入先単位で集計した、POSロケーション(店舗)別の販売額
- 商品タイプ別のPOS販売合計:POSロケーション・商品タイプごとに分類した商品の販売額
- POSロケーション別の販売合計:POSロケーションごとの販売額
- スタッフ別のPOS販売合計:会計を担当したスタッフごとの販売額
- POSスタッフによる日々の売上の合計:会計を担当したスタッフごとの1日あたりの販売額
- POSスタッフによる売上の合計:商品に紐づけられたスタッフごとの販売額
10. 利益率レポート
利益率レポートでは、原価や費用を考慮した利益に関する情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 商品別の粗利益:指定した期間内の、商品別の売上総利益
- 商品バリエーション別の粗利益:指定した期間内の、商品バリエーション別の売上総利益
- POSロケーション別の粗利益:POSロケーション別の売上総利益
11. 顧客レポート
顧客レポートでは、顧客の注文回数や購入金額に関する情報を確認できます。主に以下のデータが含まれます。
- 時間の経過による新規顧客数の変化:指定した期間内の新規顧客数の推移
- 新規顧客とリピーターの比較:指定した期間内の新規顧客とリピーター顧客の数
- ロケーション別のお客様:国や地域別の新規顧客の数
- リピーター:注文履歴が2件以上ある顧客に関するデータ
- 一度限り訪問したお客様:注文履歴が1件だけの顧客に関するデータ
- 顧客コホート分析:購入時期や属性などが共通する顧客グループ(コホート)ごとに、継続購入や売り上げへの貢献度を分析したデータ
- 予測される購入額の階層:コホート内の各顧客について、将来の購入額を予測し、金額帯ごとに分類したデータ
- RFMに基づくお客様分析:最終購入日・購入頻度・購入金額(RMF)を基に顧客へスコアを付与し、それに基づいて顧客を分類したデータ
- RFMに基づくお客様リスト:顧客別の最終購入日・購入頻度・購入金額
12. カスタムレポート
既存のレポートに対して絞り込み、列の編集、期間設定などを行い、自社の目的に合ったカスタムレポートを作成・保存できます。デフォルトレポートをベースに、必要なデータだけを効率よく抽出できる点が特徴です。
たとえば、リピーターへのメールキャンペーンを実施したい場合、レポートを次のようにカスタマイズできます。
- レポートカテゴリを「顧客」に絞り込み
- 「リピーター」レポートを選択
- 「お客様のサブスクリプションメールのステータス」フィルターの値を「登録済み」にして追加
これにより、メール配信に同意しているリピーター顧客のみを抽出したレポートを作成できます。作成したレポートはCSV形式でエクスポートでき、そのままメールキャンペーンに活用することも可能です。
おすすめのShopifyの分析アプリ4選
1. ECPower
ECPower(イーシーパワー)は、Shopifyストアに蓄積された注文・顧客データを自動で整理し、ストアの状態を把握しやすくする分析ツールです。売り上げや購入回数、リピート状況といった条件で顧客をセグメント化することで、どの顧客層が売り上げに貢献しているのか、どこに改善余地があるのかを可視化できます。
LTV(顧客生涯価値)や平均注文額などを自動で集計するリピート分析や、集客チャネル別の傾向や注文内容の特徴を抽出する自動インサイト分析にも対応しています。これらの分析結果を基に、外部ツール連携機能を活用することで、LINE(ライン)配信やメルマガ、広告配信などの施策へスムーズにつなげられます。
無料プランが用意されているため、Shopify標準のレポート機能を補完する分析ツールとして導入しやすい点も特徴です。
2. Datarize
Datarize(データライズ)は、Shopifyストア上の顧客行動や購買データを分析し、ストアの課題や改善ポイントを把握するための分析ツールです。閲覧・購入・離脱といった行動データを横断的に分析することで、どこで機会損失が生じているのかを可視化できます。
たとえば、訪問から購入に至るまでの導線を分析し、離脱が多いページや購入につながりやすい顧客層を把握できます。分析結果は、連携機能を通じてLINE配信やメルマガ配信などの施策にスムーズにつなげられます。
料金は月額300USDからで、30日間の無料体験が用意されています。
3. Juicy
Juicy(ジュージー)は、Shopifyストアの売上データに加えて、原価や送料、広告費を含めて分析できる利益分析ツールです。表面的な売り上げではなく、商品や施策ごとの実際の利益を把握しやすくなります。
たとえば、商品ごとに原価や送料条件を設定することで、注文単位・商品単位の利益率を算出できます。あわせて、各注文がどの広告やキャンペーンから発生したのかを分析できるため、利益ベースで成果の高い施策を見極めやすくなります。
注文数が月間50件までなら無料プランが利用できます。有料プランも14日間の無料体験が用意されているため、コストをかけずに試すことが可能です。
4. データエクスポート.amp
データエクスポート.ampは、Shopifyストアに蓄積された注文・商品・顧客データを、分析用途に合わせて取り出せるデータ抽出アプリです。Shopify標準のエクスポート機能では取得できない情報も含めて出力できるため、ストアの状況をより細かく把握したい場合に役立ちます。
たとえば、購買データを注文単位か商品単位で切り分けて取得したり、メタフィールドを含めたデータを取得したりできます。データは、CSVファイルでのエクスポートや、指定したメールアドレスへの送付も可能です。
無料プランでは最大15項目までのデータ出力に対応しており、まずはShopify標準のレポートやストア分析を補助する用途として試せます。

Shopifyレポートを分析する際のポイント
結果までの過程を考える
Shopifyレポートを分析する際は、数値の増減そのものではなく、なぜその結果になったのかを考えることが重要です。たとえば、アクセス数が減った理由や、カゴ落ちの原因を掘り下げることで、売上停滞の要因や顧客体験の改善ポイントが見えてきます。
目的と知りたい指標を先に決める
分析を始める前に、まずはどこに課題があり、何を改善したいのかを整理しておきましょう。目的がはっきりしていれば、確認すべきレポートや重視する数値も自然と定まります。
たとえば、プロモーションの効率を高めたい場合は、時間帯別の売り上げを確認します。売り上げが伸びやすい時間帯が分かれば、その時間に合わせた販促や在庫調整といった具体的な施策につなげやすくなります。
重要指標は自社基準で見る
アクセス数やコンバージョン率、平均注文額などの重要な指標は、業界平均と比較するだけでは不十分です。平均値に並んでいても、売り上げ拡大に直結するものであれば、継続的な改善努力が必要になります。
たとえば、一般的に利益率が20%程度とされる商品であっても、運営コストや広告費の見直しによって、さらに高い利益率を目指せる可能性があります。自社にとって最適な水準かを見極めることが重要です。
成果が出やすい箇所から改善する
ストア分析は、改善効果が見えやすい箇所から着手すると効率的です。具体的には、以下のようなポイントが挙げられます。
- アクセス数は多いが成約率が低いページ
- アクセス数は少ないが成約率が高いページ
- 購入までの過程(セールスファネル)で離脱が多い箇所
セールスファネルを分析する際は、トップページ、商品一覧、商品ページ、カート、チェックアウトページと段階ごとに分け、どこで離脱が発生しているかを確認します。離脱ポイントを特定して改善することで、効率的に売上向上を狙えます。
期間やセグメントを区切って変化を見る
Shopifyレポートは、期間や条件をそろえて数値を比較することで、はじめて意味が見えてきます。前週比・前月比といった時間軸での比較に加え、新規顧客とリピーター、チャネル別などのセグメントで分けて分析すると、施策や環境変化の影響を把握しやすくなります。
たとえば、同じ売上増加でも、リピーターによるものか広告流入によるものかによって、次に取るべき施策は異なります。切り口を変えてレポートを見ることで、改善すべきポイントや優先順位を判断しやすくなります。
あわせて、KPIを設定してデータの推移を継続的に把握することで、より的確な改善判断につなげやすくなります。
完璧を目指さず、仮説検証を繰り返す
分析では、最初から正解を導き出そうとする必要はありません。気になる数値や違和感を起点に仮説を立て、レポートで確認し、改善策を試すというサイクルを回すことが大切です。
小さな取り組みでも、その結果を再度レポートで振り返ることで、次の改善につながる知見が蓄積されていきます。
まとめ
Shopifyのレポートは、ストア内で発生した注文やアクセス、顧客行動といったデータを集計・整理し、売り上げや運営状況を把握できる分析機能です。Shopifyの標準機能として管理画面から利用できるため、追加のアプリを導入せずにデータを確認できます。
これらのレポートは、目的を持って読み解くことで初めて意味を持ちます。見るべき指標や期間、顧客セグメントを意識して分析することで、売り上げが伸び悩む要因や、改善につながるヒントが見えてきます。想定していたターゲットと実際の流入層にずれがある場合は、マーケティングのペルソナ設定や訴求内容を見直すなど、レポートを基に小さな仮説検証を重ねることで、施策の精度は高まります。
日々の意思決定にデータを取り入れ、戦略的なECサイト運営へとつなげていきましょう。
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Shopifyのレポートに関するよくある質問
Shopifyで使える分析レポートは?
- 財務レポート
- 不正注文レポート
- 注文レポート
- 集客レポート
- 在庫レポート
- 行動レポート
- マーケティングレポート
- 売上レポート
- POS売上レポート
- 利益レポート
- 顧客レポート
- カスタムレポート(プレミアムプラン以上のみ)
Shopifyレポートの分析結果はどのように役立つ?
Shopifyレポートの分析結果は、売上向上やマーケティング施策の改善に役立ちます。たとえば、マーケティングレポートで確認できる「マーケティングに起因するセッション」を見ることで、広告媒体ごとの流入状況を把握できます。流入数や成果が高い媒体が明確になれば、広告費の配分を見直し、より効果の高いチャネルに予算を集中させるといった判断が可能になります。
Shopifyのレポートを分析する前にやるべきことは?
まずは目的を明確にし、その達成に必要なデータや確認すべき指標を整理することが重要です。目的が定まっていれば、どのレポートを見るべきか、どの数値に注目すべきかを判断しやすくなります。
文:Hisato Zukeran





