家電製品は他の商材に比べ、目的の商品を比較検討しやすくする検索機能やスペック情報、初期不良に対応するための保証や柔軟な決済方法など、きめ細かなECサイトの設計と戦略が必要となります。
実際に多くの家電ブランドや販売企業では、商品情報の見せ方やコンテンツの充実、スムーズな購入フローなどを工夫することで、売上や顧客満足度の向上につなげています。ここでは、家電製品のECサイトを運営する際に参考となる、Shopify(ショッピファイ)を活用した13件の成功事例を紹介します。それぞれのサイトが取り入れている工夫や特徴を、自社のECサイトづくりにぜひ役立ててください。
1. Anker(アンカー)
Anker(アンカー)は、モバイルバッテリーや充電器、USBハブ、ドッキングステーションなどのデジタルアクセサリーを展開するグローバルブランドです。Shopifyを活用して、世界各国の地域ごとに最適化されたオンラインストアを展開しています。
AnkerのECサイトは、用途やデバイスごとに商品を探しやすいナビゲーションを採用している点が特徴です。スマートフォンやノートPCなど、利用シーンに応じて製品を絞り込めるため、目的の商品をスムーズに見つけられます。また、会員プログラムやセール情報、新製品なども分かりやすく配置されており、リピーター獲得につながる導線が整備されています。
さらに、商品ページでは対応機種やスペック、利用シーンについて、画像や図解を交えて詳しく紹介しており、購入前に必要な情報を確認しやすい設計となっています。Shopifyの決済機能を活用し、クレジットカードやデジタルウォレットなど複数の決済方法に対応している点も、スムーズな購入体験に効果を発揮しています。
2. Turtle Beach(タートルビーチ)
Turtle Beach(タートルビーチ)は、ゲーミングヘッドセットやコントローラー、キーボード、マウスなど、ゲーム周辺機器を展開するブランドです。Shopifyを活用したECサイトでは、世界各国でオンライン販売を行っています。
ゲーマー特有のニーズに配慮したサイト設計が特徴で、ヘッドセットやコントローラー、フライトシミュレーター向けデバイスなどの製品カテゴリに加えて、使用するゲーム機やプレイ環境から商品を探せる導線が用意されています。これにより、初めて訪れるユーザーでも自分に合った製品をスムーズに見つけられます。
商品ページには、高品質な製品画像や動画に加え、スペックや対応機種、機能などを分かりやすく掲載しています。また、購入者レビューも充実しており、実際の使用感を確認しながら商品の比較や検討ができる点も特徴です。セール商品やアウトレット商品をまとめたページ、会員向けの特典やキャンペーンも用意されており、リピーターの獲得につながる工夫も見られます。
3. JB Hi-Fi
JB Hi-Fi(英語サイト)は、オーストラリアを代表する家電量販店の一つで、テレビやパソコン、スマートフォン、カメラ、ゲーム機器など幅広い製品を販売しています。2019年に従来の自社開発サイトからShopifyに移行し、ECサイトからの売上が2億オーストラリアドルから10億オーストラリアドルへと拡大しました。
Shopifyを活用したECサイトでは、テレビやオーディオ、パソコン、スマートフォン、ゲーム、スマートホームなど多数の商品を扱いながらも、画面サイズやメーカー、価格帯、ストレージ容量など、複数の条件で絞り込みができる検索機能などにより、希望に合った商品を見つけやすいサイト設計が実現されています。
商品ページでは、豊富な商品画像に加え、スペックや機能、対応アクセサリーなどを分かりやすく掲載しています。関連商品やおすすめ商品も表示されるため、周辺機器をまとめて購入しやすい導線が整えられています。
さらに、検索で製品名を入力すると、関連カテゴリやレビュー記事なども表示され、比較や検討しやすい点も魅力です。JB Hi-FiのECサイトは、多数の商品を扱う家電ECに必要な「探しやすさ」と「比較しやすさ」を両立しており、豊富な商品ラインナップを展開するECサイトを構築する際の参考事例といえるでしょう。
4. Tineco(ティネコ)
Tineco(ティネコ ※英語サイト)は、掃除機とモップが一体となった床洗浄機やコードレス掃除機、カーペットクリーナーなどを展開するブランドです。中国のメーカーですが、アメリカ市場向けにShopifyを活用したECサイトを開設したことで、同市場での売上が2,253%に拡大しました。
成長につながったポイントとしては、サイトスピードの改善や、段階的な機能拡張が可能な柔軟性、BNPL(後払い決済)への対応などが挙げられます。また、ユーザー体験の質を示すGoogle PageSpeed Insights(グーグルページスピードインサイト)のスコアも100%を達成しています。
サイト上部の「Products」から表示される大型メニューには、床洗浄機や掃除機、カーペットクリーナー、付属品などのカテゴリが整理されており、目的の商品へ素早くアクセスできます。また、新製品や人気商品、キャンペーン情報も見つけやすく配置されているため、ユーザーが必要な情報を直感的に把握できます。商品ページでは、製品の仕様や特徴、利用シーンに加えて「騒音レベルはどのくらい?」といったよくある質問を掲載することで、購入前の疑問を解消しやすくしている点も特徴です。
5. バルミューダ
バルミューダは、トースターやオーブンレンジ、扇風機、空気清浄機など、デザイン性と機能性を兼ね備えた家電を展開する日本メーカーです。公式オンラインストアでは、製品スペックだけでなく、ライフスタイルを提案するコンテンツを充実させることで、ブランドの世界観を効果的に伝えています。
サイトでは、キッチン家電や空調家電、照明などカテゴリごとに商品を整理し、シンプルなデザインで目的の商品へアクセスしやすい構成を採用しています。また、実際の使用シーンやインテリアとの調和を表現するための商品撮影にこだわり、高品質な日常写真や動画が豊富に掲載されている点も特徴です。
商品ページでは、開発コンセプトやデザインへのこだわり、活用シーンなどをストーリー性のあるコンテンツとして紹介しています。さらに、仕様やサイズ、付属品などの情報も分かりやすく整理されているため、デザイン性と実用性の両面から比較や検討できます。
特集記事やレシピコンテンツ、ブランドストーリーなども充実しており、製品の魅力や使い方を詳しく知ることができます。単に商品を販売するだけでなく、ブランドの価値やライフスタイルを提案することで、ユーザーの購買意欲を高める工夫が取り入れられています。
6. EcoFlow(エコフロー)
EcoFlow(エコフロー)は、ポータブル電源やソーラーパネル、家庭用蓄電システムなどを展開するエネルギー関連ブランドです。価格や税金、プロモーションなどを地域ごとに設定できるShopify Plusを活用することで、サイト構成や画像素材などは共通のまま、複数の国それぞれに対応したECサイトを立ち上げることができました。
サイト上部のメニューでは、ポータブル電源やソーラーパネル、アクセサリーなどの製品カテゴリごとに整理されているほか、「アウトドア」「防災」「家庭用バックアップ電源」など、利用シーンから製品を探せる導線も用意されています。そのため、製品知識が少ないユーザーでも、自分の用途に合った製品を見つけやすくなっています。
商品ページでは、高品質な画像や製品仕様に加え、容量や出力、充電時間などの情報を分かりやすく掲載しています。また、複数のモデルを比較できる機能も用意されており、それぞれの違いを確認しながら最適な製品を選択できます。関連アクセサリーや対応製品もあわせて紹介されているため、必要な周辺機器をまとめて購入しやすい点も特徴です。
EcoFlowのECサイトは、専門性の高い製品でも分かりやすく情報を整理し、比較や検討しやすい導線を構築しています。高価格帯の家電製品や専門性の高い製品を販売するECサイトの参考事例といえるでしょう。
7. ソニー
ソニーは、テレビやカメラ、ヘッドホン、スピーカー、ゲーム機など、幅広い家電製品をグローバルに展開する、日本を代表するメーカーです。公式オンラインストアでは、豊富な商品ラインアップを分かりやすく整理し、ユーザーが製品を比較や検討しやすいECサイトを構築しています。
サイトでは、製品カテゴリごとに商品を探せるだけでなく、用途やシリーズ、機能などの条件で絞り込み検索ができます。さらに、「比較表」機能を利用することで、複数モデルの仕様や機能の違いを一覧で確認できるため、自分に合った製品を選びやすい点が特徴です。
特集記事や製品レビュー、使い方ガイドなどのコンテンツも充実しており、商品の魅力や活用方法を詳しく知ることができます。製品情報だけでなく、購入前の疑問を解消するコンテンツを提供することで、ユーザーの購買を後押ししている点も特徴です。
8. Nanoleaf(ナノリーフ)
Nanoleaf(ナノリーフ)は、モジュール式のスマート照明やLEDライトを展開するブランドです。デザイン性の高い製品にふさわしく、商品の魅力を視覚的に伝えるためのアニメーションやインタラクティブコンテンツを多用しながらも、軽快に動作するECサイトをShopifyにより構築しました。
壁面照明やライトストリップ、スマートライトなどをカテゴリごとに整理しており、用途や製品シリーズから目的の商品を探しやすい構成となっています。また、ライフスタイルをイメージできる写真や動画を豊富に掲載し、実際に設置した際の雰囲気を分かりやすく伝えています。
モバイルアプリのAR機能やレイアウトシミュレーション機能を利用することで、照明パネルを自宅の空間に配置したイメージを事前に確認できます。製品選びをサポートする提案機能も用意されており、ユーザーは自分の部屋や用途に合った製品をスムーズに選択できます。
NanoleafのECサイトは、ビジュアルコンテンツやシミュレーション機能を活用しながら、購入前のイメージを具体化できる点が特徴です。インテリア家電やスマートホーム製品を販売するECサイトの参考事例といえるでしょう。
9. Shokz(ショックス)
Shokz(ショックス)は、骨伝導イヤホンやオープンイヤーイヤホンを展開するオーディオブランドです。Shopifyを活用することで、ソースコードは共通ながら各国ごとに言語や価格をローカライズしたECサイトを構築しています。
トップページでは累計販売台数や受賞歴、世界特許出願数といったソーシャルプルーフを強調することで、初めて訪れたユーザーでもブランドの強みを把握しやすい構成となっています。また、「製品比較」機能では、各モデルのバッテリー駆動時間や重量、防水性能などを一覧で比較できるため、自分の用途に合ったモデルを選びやすくなっています。骨伝導やオープンイヤー技術の仕組みやメリットを分かりやすく解説するコンテンツも充実しており、製品への理解を深めながら購入を検討できます。
商品ページには、製品仕様や対応シーン、高品質な画像に加え、実際の利用イメージが伝わる写真や動画も掲載されています。ブランドストーリーやスポーツシーンでの活用事例なども紹介されており、商品の特徴や利用価値を具体的にイメージしやすい点も特徴です。
10. アイリスオーヤマ
アイリスオーヤマは、生活家電やキッチン家電、収納用品など幅広い製品を展開するメーカーです。公式ECサイトでは、多数の商品を扱いながらも、ユーザーが目的の商品を見つけやすいサイト設計を採用しています。例えば、エアコンであれば対応畳数、テレビであれば画面サイズなど、商品カテゴリごとに適した絞り込みメニューがあらかじめ設定されており、豊富なラインアップの中から自分に合った商品を効率よく探すことが可能です。
トップページでは、インスタのハッシュタグをもとにユーザーやマイクロインフルエンサーの投稿から抜粋されたSNSレビューも掲載されているなど、ユーザーが新たな商品を発見しやすい導線を設けることで、回遊率や購買意欲の向上につなげています。また、特集ページやランキング、新商品情報といったコンテンツを多数掲載しながらも、リンクの画像サイズを段階的に分けたり、カルーセルの自動スクロールといった動きをつけたりすることで、ユーザーの視点誘導を工夫しています。
アイリスオーヤマのECサイトは、レイアウトやコンテンツ配置に気を配ることで、豊富な商品ラインナップと情報量でも単調にならないよう工夫された事例です。
11. Glowforge(グローフォージ)
Glowforge(グローフォージ ※英語サイト)は、レーザー加工機を展開するブランドです。高価格帯かつ専門性の高い製品を販売するECサイトとして、購入前の不安を解消するためのコンテンツが充実しています。
たとえば、「教育者」「クリエイター」「小規模ビジネス」「イベントプランナー」など、ユーザーの属性に応じた情報へアクセスできるナビゲーションが用意されています。それぞれのページでは、活用事例や導入メリット、制作できる作品などが紹介されており、ユーザーは自分の用途に合った製品をイメージしながら検討できます。
また、制作事例を紹介するギャラリーでは、木材やアクリルなどを使った作品が多数掲載されており、製品で実現できることを視覚的に確認できます。完成品を見ることで、購入後の活用イメージを具体的に描きやすい点も特徴です。
さらに特徴的なのは、ユーザー同士が作品やアイデアを共有したり、製品の活用方法や制作のヒントを話し合ったりしているコミュニティフォーラムです。こうしたユーザー参加型のコンテンツは、ブランドへの信頼感を高めるとともに、新規ユーザーの購入を後押しする役割も果たしています。
12. パナソニック
パナソニックは、テレビや冷蔵庫、洗濯機、美容家電、キッチン家電など、幅広い製品を展開する日本を代表する総合家電メーカーです。公式オンラインストアでは、家電を月額料金で手軽に利用できるサブスクサービスや、回収された商品を活用した再生品の保証付き販売など、多彩な自社商品を展開するメーカーならではのサービスを提供しています。
それぞれのカテゴリページを開くと、特徴的な機能やテクノロジーが端的にまとまった「カテゴリー概要」で、各ブランドの長所を知ることができます。その次にシリーズラインナップが続くことで、ユーザーはどんな視点で商品を選べばいいかがわかりやすくなっています。
商品選びをサポートするオンラインコンシェルジュサービスでは、専門スタッフとのビデオ通話で10~30分の時間をかけて相談することができるなど、購入前のサポートコンテンツも充実しています。
13. シャープ
シャープは、テレビや空気清浄機、冷蔵庫、調理家電など幅広い製品を展開する日本の総合家電メーカーです。公式オンラインストアでは、プラズマクラスターをはじめとした独自技術の特長や活用シーンを解説するコンテンツも充実しており、スペックだけでは伝わりにくい製品の魅力を分かりやすく伝えています。
生活家電やキッチン家電、美容家電などのカテゴリごとに商品を整理し、用途や機能、価格帯などの条件で絞り込み検索ができます。また、新製品や人気商品、キャンペーン情報も分かりやすく配置されているため、目的の商品へスムーズにアクセスできます。
また、「洗濯物の生乾き集をすっきり消す方法」や「エアコンの選び方」「実際に使ってみた徹底レビュー」などのコラムコンテンツが充実している点も特徴です。内容は商品の使い方から雑学まで幅広く、継続的に追加と更新が行われていることからコンテンツマーケティングやリピーターの獲得につながる施策としても機能していると考えられます。
シャープの公式オンラインストアは、製品の機能や独自技術を分かりやすく伝えるコンテンツが充実している点が特徴です。家電製品の魅力を効果的に訴求しながら、ユーザーの購買を後押しするECサイトの参考事例といえるでしょう。
まとめ
家電製品のECサイトで成果を上げるには、豊富な商品ラインアップだけでなく、ユーザーが商品を比較や検討しやすい情報設計や、スムーズに購入できる導線を整えることが重要です。
また、高品質な画像や動画、レビュー、活用事例などのコンテンツを充実させることで、購入前の不安を軽減し、購買意欲を高めることにもつながります。今回紹介した13の事例には、それぞれ異なる強みや工夫があります。自社の商品やターゲットに合ったアイデアを取り入れながら、利便性とブランド価値を両立したECサイトを構築し、売上や顧客満足度の向上を目指しましょう。
家電製品ウェブサイトに関するよくある質問
家電製品のECサイトで売上を伸ばすには?
家電製品のECサイトでは、商品を探しやすいカテゴリ設計や検索や絞り込み機能、詳細な商品情報、高品質な画像や動画、購入者レビューなどを充実させることが重要です。また、スムーズな決済や充実したサポート体制も、コンバージョン率や顧客満足度の向上につながります。
家電製品のECサイトではどのような商品情報を掲載すべき?
製品の仕様やサイズ、対応機種、機能などの基本情報に加え、利用シーンが分かる画像や動画、比較表、よくある質問(FAQ)を掲載するのがおすすめです。購入前の疑問を解消できる情報が多いほど、ユーザーは安心して商品を選べます。
家電製品のECサイトにレビュー機能は必要?
はい。レビューは実際の使用感や満足度を確認できるため、購入を検討しているユーザーの参考になります。信頼性の向上にもつながるため、多くの家電メーカーやECサイトでレビュー機能が導入されています。




